小・中連携教育研究発表会
◆小・中連携教育の研究発表会(国立教育政策研究所 小・中連携教育実践研究協力校)が大坂上中学校で開催されました。
大坂上中学校、日野第三小学校、日野第七小学校、東光寺小学校の4校は、日野市教育委員会研究課題校、国立教育政策研究所
小・中連携教育実践研究協力校、東京都教育委員会小・中連携教育実践研究指定校を受け、次のように、2年間研究に取り組んで
きました。
◇「中学校変身プログラム」という位置づけで、平成17年度から「高尾の森わくわくビレッジ」で毎年実施している中学入学オリエンテーション合宿に、3校の小学校の先生方が参加しています。
◇まなび部会(各教科)、こころ部会(生活指導)、からだ部会(食育・体育)に分かれ、教材研究や授業研究に取り組んできました。
◇各教科(英語・英語活動も含む)、生活指導、食育において、9年間を見通した系統的な指導計画を作成しました。
研究は定期的に集まって会を設ける他に、日常的には校務支援システムの掲示板(4校のみの連携掲示板を作りました)がフルに活用されました。親情報だけで200件以上もの連絡が流され、情報交換・意見交換も行われました。
◆会場の大坂上中学校に3校の児童も集まって、18の会場で公開授業が行われました。
参加者が多くて入りきれない数学の授業会場の様子は、スカイプによるテレビ会議で、発表会場の食堂にライブ中継されました。
発表会場でライブ中継されている数学の授業風景。 | 教室窓側のコンピュータのWebカメラで映像を送っています。 |
以下の画像は、ICTを活用した公開授業風景です。
小国語・第6学年「やまなし」 ICT活用指導力B-3 自分の ワークシートを拡大して見せながら、 読み取ったイメージを発表しています。 | 中社会・第1学年「いろいろな地域に分けて県を調べよう」 ICT活用指導力B-2 画像や統計資料を提示しながら、郊外の特色を読み取らせています。 |
中音楽・第2学年「日本の伝統音楽を深めよう」 ICT活用指導力B-3映像と音楽により、雅楽への理解を深めています。 |
中理科第1学年「力」
・演示実験を大きく映し出しています。 ICT活用指導力B-1・2
・生徒が発表した考えを図を使ってまとめています。 ICT活用指導力B-4
小英語活動第5学年・中英語第2学年「Let’s go shopping!」
ICT活用指導力B-1
AETの先生の国を、画像や地図で紹介しています。
体育の公開授業は、隣接する都立日野台高校の体育館が会場でした。
中体育第1学年「器械運動(マット運動)」
ICT活用指導力C-1・4 スポーツミラー(映像遅延装置)により、
生徒一人一人が自分のフォームを確認しています。
◆ちょうど本日は、大坂上中学校にとって3週間のICT導入活用週間最終日です。
本校に専属で派遣したメディアコーディネータに加え、2名のメディアコーディネータもお手伝いで参加しました。
副校長先生に作っていただいた腕章をつけて、サポートしていました。
◆公開授業のあとは、部会別に4つの発表会場に分かれて発表が行われました。
まなび部会の「算数・数学、理科分科会」は、食堂で行われました。
2年間の研究の全体の取組や分科会での取組についてプレゼンテーションを行いました。 | 食堂には多くの方が集まり、発表を熱心に聞いてくださいました。 |
本研究を通して、小・中両方の先生方は、お互いの良いところから多くのことを学ばれました。
小学校の先生方は、教科の専門である中学校の先生と一緒に教材研究をしたり授業を見合ったりしたことで、教科の内容への理解が
深まったということです。理科は安心して指導できるようになったということです。また、自分達の教えた子ども達が、進学してどのような
学習を受けるのかを知り、小学校段階でつまずきを出さないよう、より努力を重ねるようになったということです。
中学校の先生方は、小学校の授業から多くのヒントを得たということです。
発表会で話された大坂上中学校の先生の次の言葉が印象的でした。
*数学の先生:「1時間の授業を工夫するようになりました。ていねいに説明するようになりました。たとえ5秒だけの提示であっても、
それに2時間かけて作ることもあります。それを苦労とも感じません。」
*理科の先生:「小学校ではどんなことを学んできたんだろうと前もってよく調べています。今日の授業でも小学校で学んだ実験道具
(空気でっぽう、電磁石)を導入で使いました。理科を楽しく学習できるように工夫するように努めています。」
互いのよさを謙虚に学び合い、授業に工夫を重ねてこられた先生方です。
本日の公開授業では、特に「中学校の授業が変わった」ことを実感しました。
今まで多くの授業は、教師のトークとチョークのみでした。それが、生徒をひきつける授業、わかりやすい授業、先生と生徒・そして生徒
同士のコミュニケーションのある授業へと変わったことを実感しました。
◆発表会の後は、体育館で講演会がありました。
講師は東京学芸大学教授の児島邦宏先生。小・中接続・連携教育の課題と具体的方策についてお話しいただきました。
講演の中で、本日の中学校の先生の 公開授業が、きめ細やかであったことを 評価してくださいました。 | 約400人の参観者でした。北海道、九州からもお見えになったようです。 |