単なる発表会ではなく・・・
第6学年国語科「卒業論文」ICT活用指導力C-1・2・3
自分の考えを友達にわかりやすく表現したり伝えたりすることに重点を置き、相互に内容を深めていく学習展開です。
2月1日の研究発表会でこの学習単元の中間部分が公開されましたが、先日、フィナーレである卒業論文発表会が終了しました。
学習の流れは以下の通りです。
(1)各自が卒業論文の構成(項目)を考えました。児童が6年間の思い出を振り返ったり、興味をもったことを追究したりしながら
論文を作成します。
(2)計画にそって、項目ごとにスタディノートでまとめました。
(3)卒業論文の構成の再吟味です。スタディノートのマップ機能で、各項目のノートを整理し、構造化しました。
(4)マップを見合いながら、どのように構成を工夫(修正)したら、考えがより伝わるか、意見を出し合いました。
→先月の研究発表会での公開授業がこの部分でした。
(5)その後、マップを修正し、論文を直しました。試行錯誤を繰り返しました。
(6)完成したマップを見せながら卒業論文の発表会を行いました。
◆この実践では次のような成果が見られました。
◇論文の作成過程で
・従来の紙では伝えにくいことも、画像等により視覚的に伝える工夫をすることができた。
・従来の紙では自分の考えを修正して直すことが困難だったが、何度も修正してよりよいものにできた。
・作成の途中段階で、今まではほとんどなかった意見交換の回数が増え、友達のアドバイスを取り入れることができた。
◇論文の発表段階で
・発表内容の項目をマップ上に整理して示し、見通しをもって発表することができた。(聞き手もわかりやすい)
・データベースの作品は何度もじっくり見てもらうことができる。
(この後の感想交換も容易にでき、さらに内容を深めることも可能)
◆この学習を通して、子ども達の目的意識・相手意識がより高まり、子ども達相互のかかわりあいも深まりました。
最後の発表会では、どの子も堂々と自信にあふれたプレゼンテーションを行うことができました。
国語科の授業において、発表会を行う機会はたくさんあります。
調べてまとめて発表して終わり・・・
友達が何を学んだのかという内容面での感想よりも、声の大きさがどうだったかという技法的な面での感想に終始する・・・
これらは、従来の発表会でよくあった光景です。
1月に出された中教審の答申では、国語科の改善の具体的事項の一つとして、次のことがあげられています。
「日常生活で実際に活用する記録、報告、要約、説明、感想などの言語活動を行う能力を確実に身に付けることができるよう継続的に指導する。
また、課題に応じて基礎的・基本的な知識・技能を活用し、相互に思考を深めたりまとめたりしながら解決していく能力の育成を重視する。」
本実践は、ICTを活用して「相互に思考を深めたりまとめたりしながら解決していく能力の育成」が図られた実践でした。