思考力・判断力・表現力等をはぐくむために
なかなか奥の深い研究です。
実際に豊田用水に行って季節の違いを比較していました。用水に生息している生きもの、周辺で栽培されている野菜、そして農家の人のインタビューや管理している役所の担当課の話、さらに文献で歴史も調べていました。
みんな同じテーマですが、結果からいろいろなことを考察したはずです。
そのやりとりを見たいところでした。
この発表をマルチメディアで表現することで、人に伝えることをより意識した発表になるでしょうし、データを共有して吟味することで、互いの考えを深め合うこともできます。
市内全校に導入されているグループウエアソフト(スタディノート)を活用して、プレゼンテーション能力をつけるとともに、友達同士で考えを練り上げていく学習活動を推進していきたいと考えています。
来年度は市内の小・中学生の力をもっと引き出すために、各学校の教科や総合的な学習の時間での取組を「プレゼンテーション大会」として公開する機会を作りたいと考えています。
★この方向は、次のように、新学習指導要領でも、重視される予定になっているようです。
先月、中教審から出された答申で、学習指導要領の改訂について次のように記されています。
「今回の改訂においては、各学校で子どもたちの思考力・判断力・表現力等を確実にはぐくむために、まず、各教科の指導の中で、基礎的・基本的な知識・技能の習得とともに、観察・実験やレポートの作成、論述といったそれぞれの教科の知識・技能を活用する学習活動を充実させることを重視する必要がある。各教科におけるこのような取組があってこそ総合的な学習の時間における教科等を横断した課題解決的な学習や探究的な活動も充実するし、各教科の知識・技能の確実な定着にも結び付く。このように、各教科での習得や活用と総合的な学習の時間を中心とした探究は、決して一つの方向で進むだけではなく、例えば、知識・技能の活用や探究がその習得を促進するなど、相互に関連し合って力を伸ばしていくものである。」
そして、知識・技能の活用など思考力・判断力・表現力等をはぐくむための学習活動として、次のような例が挙げられています。
? 体験から感じ取ったことを表現する
(例) ・日常生活や体験的な学習活動の中で感じ取ったことを言葉や歌、絵、身体などを用いて表現する
? 事実を正確に理解し伝達する
(例) ・身近な動植物の観察や地域の公共施設等の見学の結果を記述・報告する
? 概念・法則・意図などを解釈し、説明したり活用したりする
(例) ・需要、供給などの概念で価格の変動をとらえて生産活動や消費活動に生かす
・衣食住や健康・安全に関する知識を活用して自分の生活を管理する
? 情報を分析・評価し、論述する
(例) ・学習や生活上の課題について、事柄を比較する、分類する、関連付けるなど考えるための技法を活用し、課題を整理する
・文章や資料を読んだ上で、自分の知識や経験に照らし合わせて、自分なりの考えをまとめて、A4・1枚(1000字程度)といった所与の条件の中で表現する
・自然事象や社会的事象に関する様々な情報や意見をグラフや図表などから読み取ったり、これらを用いて分かりやすく表現したりする
・自国や他国の歴史・文化・社会などについて調べ、分析したことを論述する
? 課題について、構想を立て実践し、評価・改善する
(例) ・理科の調査研究において、仮説を立てて、観察・実験を行い、その結果を整理し、考察し、まとめ、表現したり改善したりする
・芸術表現やものづくり等において、構想を練り、創作活動を行い、その結果を評価し、工夫・改善する
? 互いの考えを伝え合い、自らの考えや集団の考えを発展させる
(例) ・予想や仮説の検証方法を考察する場面で、予想や仮説と検証方法を討論しながら考えを深め合う
・将来の予測に関する問題などにおいて、問答やディベートの形式を用いて議論を深め、より高次の解決策に至る経験をさせる
☆参考:
2008年1月17日中教審答申
「幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善について」
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/news/20080117.pdf