ICTに関連する答弁内容
日野市議会(第4回定例会)の一般質問が今日から始まりました。
ICTに関連した内容の質問と答弁内容は以下の通りです。
◆“全国学力調査”についての質問の答弁内容です。
◇試験結果の分析と対策について
国語の知識に関する問題では、小学校の平均正答率は全国(公立)より高く、東京都(公立)と同じでした。中学校の平均正答率は全国(公立)や東京都(公立)よりも高い結果でした。活用に関する問題は、小学校、中学校とも平均正答率は全国(公立)や東京都(公立)よりも高い結果でした。
また、算数・数学の知識に関する問題では、小学校の平均正答率は全国(公立)より高く、東京都(公立)と同じでした。中学校の平均正答率は全国(公立)や東京都(公立)よりも高い結果でした。活用に関する問題は、小学校、中学校とも平均正答率は全国(公立)や東京都(公立)よりも高い結果でした。
全体としては、標準偏差の値が小さいことから、児童・生徒の学力の差の幅がないということができます。
日野市としては、基礎的・基本的な力はついているといえますが、活用する力については課題があるといえます。というのは、全国(公立)や東京都(公立)の平均は上回っているものの、小学校については国語・算数、中学校については数学が、ともに国が基準としている70%には達しておりません。
このことから今後は、全ての子ども達の基礎・基本の力を定着させるとともに、それを活用する力を育てていきたいと考えています。基礎・基本の力を定着させるために、今まで同様、個に応じた指導や少人数指導等を取り入れて分かる授業を実現させていきます。また、活用する力をつけるために、様々な情報を読み取って自分の考えをもち、それを表現し、話し合ったり発表したりする学習展開やコミュニケーションを深める学習展開などさらなる指導法の充実を進めてまいります。
これらの指導法の手だてとしてICTの活用を推進していきます。さらには、今回のような学力調査の結果をみとる分析力とそれを具体的な授業改善に結び付けていく実践力をつけていくことも必要であると考えています。
◇学力向上の施策はどのようなものを行っているか。
先ずは、国の学力・学習状況調査を行ったところですが、本市では、都の学力調査、市独自の学力調査CRTを行い、授業改善プランを作成し、授業改善に努めています。
次に、全校に少人数指導、ティームティーチングの教員加配をつけ、一人一人に合わせた授業展開を行っているところです。具体的には小学校では、全ての学校で算数で実施しており、加えて理科で行っている学校もあります。中学校では、英語、数学、理科が中心となっています。
また、全校で、授業改善につながる研究テーマを設け、研究を推進しています。国や都、市の研究は14校あり、その全ての学校で研究発表を行い、その成果を市内の各学校に広めていただいています。
さらに全校で長期の休業日には1週間から10日程度の補習を実施し、基礎基本の定着にも努めています。
市制協力員などの人的な配置では、低学年で36人以上の学級に配置する学習指導補助員、教員指導補助者、学生ボランティア、インターシップなどを全校に配置し、児童・生徒の学習の支援をしています。
平成18年度からは、ICT活用教育推進室を設置し、わかる授業、魅力ある授業の実現に向けて授業改善を図っています。さらに、コンピュータを活用することで、児童・生徒の情報活用能力が高まることが大いに期待されているところです。
◆“いじめと不登校の問題”についての質問の答弁内容です。
◇いじめ(ネット上の)への対応について
最近、急速に増えているいじめに、ネット上のいじめがあります。
一般的にネット上いじめでは、クラスメートをからかうようなメールを回したり、クラスメートの恥ずかしい写真を携帯電話に撮ってメールを回すといったものが、あります。また、生徒が自分で開いているブログなどに、他のクラスメートがいやがらせを、するというケースも起こっています。なかなか表には見えないのですが、どの学校にも起こりうるという危機意識をもって取り組んでいます。市教委としましては、ネット上の掲示板やブログ、携帯メールなどによる中傷について子どもたちに考えさせ、ネット上のルールについて学ぶ情報安全教育を推進しています。先月は、「ネット上のトラブルの実態と対策」というテーマで教員研修を実施したところです。
しかし、このネット上のいじめを含むトラブルをなくしていくには、家庭との連携が重要となります。そのために、11月の日野市家庭教育学級研修会において、「インターネットの正しい活用方法について」を実施し、11月下旬には、市民会館で、「メディアとの付き合い方学習」というテーマで講演会を開催したところです。
今後も家庭教育学級や市P協と連携し、「いじめは許さない」姿勢で取り組んでまいります。
◇いじめ・不登校をなくすために、教師が児童・生徒と触れ合う時間は十分かをもっと確保できないか。
学校の現状として、授業終了後から規定の終業時間までの時間帯が優先して会議に当てられている傾向があります。会議の内容は、職員会議、校務分掌の会議、学年会、教科会、成績会議、校内研究の会議などです。どれも、教育活動には大きな意味をもっていますが、現実にはこれらの会議が多く、そのための書類作成もあり、ご指摘のように児童・生徒にかかわるためのゆとりが少なくなっています。この現状を改善し、教員の校務の効率化に大きな力となる可能性をもつものは、ICTです。
日野市では、昨年度、先生方に一人一台のコンピュータを配備し、校務支援システムを導入いたしました。校務の情報化は、最終的には子どもとのふれ合う時間を多く生み出すようにすることがねらいです。具体的には、校務システムの活用により、スケジュール、連絡事項、その他必要な情報が瞬時に行きわたり、会議の時間を大きく短縮することができます。
また、セキュリティが守られた中で成績処理も効率的にできます。ペーパーテストや日々の学習状況を記録しておくと、前もって設定しておいた評価基準に照らして、自動的に評定が出るしくみになっていますので、あいまいな評価ではなく、客観的で根拠のある評価となり、保護者への説明責任を果たすことにつながります。この評価は通知表の評定欄にも反映されます。所見欄も、学期末にあわてて記入するのではなく、校内のすべての先生方で、日頃から、一人一人の子どものよいところを見つけて記録しておける「ひのっ子宝箱」から反映されますので、今までより中身の濃い通知表になります。
この校務システムの中にある「ひのっ子宝箱」という機能についてですが、これは、一人一人の子どものよさや輝き、頑張ったことを校内の先生方みんなで入力することにより、その子の良さを共有し、ますます輝かせていくことを目的としています。
このメニューに入るには、成績処理と同じく校務支援システムを起動してなおかつICTセキュリティカードをかざさなければなりません。個人情報を扱うためのセキュリテーは万全にしています。校内の先生方は、このメニューに入って、該当の児童・生徒のカードを出し、見つけた良さを入力していきます。この日々の記入が、通知票などに反映するのです。このように「ひのっ子宝箱」は、自分の担当している児童・生徒だけでなく、校内の全てのこどもの良さを見ていくことで一人一人の子どもをより細やかに把握することができる仕組みになっています。
このように、日野市の校務支援システムは、校務を効率化して子ども達との触れ合う時間を生み出すとともに、一人一人の子ども達への理解をより深めていく役割をもっています。
◆議員の方が、毎日、ICT活用教育推進室のWebサイトをご覧になったり、先日、市民会館で開催した保護者向けの講演会に積極的に出席してくださったりしたことは、大変ありがたいことだと思っています。