過去の推進室情報 2008年

小学校の理科の授業を高めるための3つのポイント

潤徳小学校の校内研究にお邪魔しました。理科ねっとわーくのコンテンツを活用した3つの研究授業がありました。JSTの榊原博子先生と、教育センターの大澤先生も分科会の講師として参加してくださいました。

「理科ねっとわーくには、レベルの高いコンテンツやなかなか見ることのできない貴重なコンテンツも多くあります。探すには時間がかかりますが、どこかの単元で使えるものと出会えます。また、指導する側の手持ち資料としても使え、勉強になります。あわてて探すのではなく、時間が空いたときに継続してじっくり楽しんで探して下さい。」   と榊原先生。

今年度、日野市では、すべての小・中学校の理科の授業の充実を図ることを目指しています。小学校の教師は、必ずしも理科が得意ではなく、不安をもつことも多いようです。しかし、小学校の理科を教える教師としての専門性は、自然を見る専門性というよりは、むしろ子どもがどのように自然を見ているか、自然の事物・現象の正しい見方とのズレ等を瞬時に見抜く力であると思います。子どもの見方を見抜く力がないと、教師が設定した課題による形式的な問題解決学習になり、問いが本当に子どものものにならないまま授業が流れてしまいます。逆に、子どもがどのように自然を見ているのかを大切にして授業をデザインすると、子どもの問いが解決すべき課題となり、ごく自然に問題解決学習が展開されていきます。

小学校の理科の授業を高めるための3つのポイントとして、
・子どもが自然の事物・現象をどのように見ているかを見抜く力、
・授業をデザインする力、
・教える単元に関する教材研究の量
この3つの力が、理科の授業の質を高めることにつながると考えます。

  
第3学年理科「こん虫をしらべよう」 ICT活用指導力B-2・3
一人一人の児童が見つけた虫の特徴をとらえて分類し、コンテンツで「昆虫」の説明を見た後に、自分の見つけた虫が昆虫であるかどうかを調べる学習活動。

  
第5学年理科「天気の変化」 ICT活用指導力B-2・3 C-1
今まで連日観測してきた天気の変わり方をコンテンツで確認し、必要な情報をそろえて明日の天気を予想する学習活動。

  
第6学年理科「植物の葉と日光」 ICT活用指導力C-3
ジャガイモの葉に日光が当たると本当にデンプンができるのか、二酸化炭素も関係あるのかなど、グループで追究してきた課題の実験結果を発表し、共有する学習活動。