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2021年4月の記事一覧
【5年】CLOVER の森
まず、読み聞かせを行いました。
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CLOVER の森
ある小高い丘に、その森はありました。
豊かな緑をたくわえた木々が生い茂り、あたたかな木漏れ日が降り注ぐ、
とても美しい森でした。
その森の中心には、大きな、幸せのクローバーが咲いていました。
そのクローバーを大切にしながら、
120を超える、たくさんの動物が暮らしていました。
動物の中に、キリンと、ネコと、オオカミと、タヌキがおりました。
4匹の動物たちは、他のたくさんの動物たちと、
楽しく、素敵な日々を過ごしていました。
木の実をすり潰した絵の具で、大地をキャンパスに、
色あせることのない、たくさんの絵を描きました。
どんぐりを並べて、数を使ったゲームをしました。
楽しく、素敵な日々はあっという間に過ぎ、次の春がやってきました。
新しい春になり、雪が解ける頃、
キリンと、ネコと、オオカミは、その森を離れることになりました。
森の中心のクローバーの周りに集まった動物たちは、別れを惜しみました。
キリンは言いました。
「僕は、何かを考えるとき、なかなかアイデアが出せず、悩んでいたんだ。
でも、たくさんの動物たちと過ごすうちに、皆それぞれが、
自分らしく、独創的に、考えるということの素晴らしさを教えてもらったよ。
だからこのクローバーから、
クリエイティブ(Creative)の『C』の葉を貰っていくよ。」
そう言うとキリンは、たくさんの思い出を思い浮かべながら、
森の南の方角へ、歩いていきました。
オオカミは言いました。
「私は狩人に追われてこの森に来ました。
ひと時は、自分のこんな牙と爪を要らないと思っていたけれど、
優しい皆と過ごすうちに、私も力を付け、皆を守りたいと願うようになりました。
だから私は、森を出て、皆を守れるような、力を付けようと決意したんだ。
この思いのルーツ(Roots)を忘れないように、『R』の葉を貰っていくよ。」
そう言うとオオカミは、希望に満ちた表情で、森から駆け出していきました。
森に残るタヌキは、最後に森を去るネコに言いました。
「さぁ、残ったものはあなたが持っていってください。」
すると、ネコは言いました。
「いいえ、私は、もうたくさんの物を、他の動物たちから貰ったわ。
だから、残りは全て置いていきます。」
そう言うとネコは、堂々とした足取りで、
一歩一歩をかみしめながら、森を出ていきました。
さて、あなたたちに、残されたものはなんですか。
※ 表紙の絵は今のクラスの子が5分で書いてくれました・・・すごい!
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たくさんの愛情をかけてくださった離任の先生方に対し、
子供たちは礼儀正しく、感謝のお手紙を書くことができました。
離任式で実際に会えないことに残念がっていましたが、
先生方の顔を思い浮かべながら、
「イカが給食で出たときに『イカをいかが?』とか言っていたなぁ。(元4年1組)」
など当時を思い出し、
エピソードを上手に交えながら手紙を書くことができていました。
子供たちが立派に成長している様子は、離任された先生方にきっと届くでしょう。