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専科算数 データを「疑う」こと・・・
こんにちは,算数専科の藤井です.
2020年もあと1週間で終わりになりますね.
コロナに始まりコロナに終わる1年になってしまいそうですが,
来年は,心穏やかに迎え,過ごせるといいですね.
さて,本日は5・6年の学習と関連して
「データを疑うこと」について,
授業で行った話を基に書いてみたいと思います.
ちょっと長いですが,年末年始の読み物として,
お楽しみいただければ幸いです.
ある日,授業でこんな話をしました.
ある学年の2つのクラスで,年明けに
「お年玉をどれくらいもらったのか」というアンケートを取りました.
A組での平均額は25000円
B組での平均額は50000円でした.
さて,どちらのクラスの子の方が
「お年玉をたくさんもらった」と言えるでしょう.
この問題でネックになることは「平均」という落とし穴です.
状況だけを聞くと,B組の方が「みんながたくさんもらっている」
という印象を与えられると思います.
しかし,B組には,お金持ちの親戚がいる子がいて
(ドラえもんのスネ夫みたいですね)
お年玉に数百万円をもらっているということ,
それから,ほとんどの子は数千円程度しかもらっていないこと.
実はバランスよく多くの子が数万円もらっているクラスは
A組ということが,後でわかりました.
この様な「平均」の様に,データの特徴を抽出した数値のことを
「代表値」と言います.(6年生で学習しました)
しかし,「平均」を見るだけでは,
データの特徴を正確に捉えることができない場合があります.
そのために,その他の代表値について考える必要が出てきます.
6年生の学習では,「中央値(モード)」や「最頻値(メジアン)」という
代表値や,当たり前のように気が付く「最大値」「最小値」を使って
与えられたデータの特徴について考えていきました.
様々な代表値を複合させると,より与えられたデータの特徴が見えてきます.
実は,似たようなことが社会の中でも起きているのだよ
という,少し深入りした話題も出してみました.
皆さんは,「日本人の平均金融資産保有額」ってご存知ですか?
実は2人以上世帯では1131万円,あるそうです.
俄かに信じがたいですよね,その通りだと思いますし,
私もそう思います.
ちなみに,データソースは「金融広報中央委員会」というところが出している
「家計の金融行動に関する世論調査」という資料です.
しかし,この統計データにもカラクリがあって,
よーく調べてみると「金融資産をもっていない世帯の割合」が26%もあるそうです.
つまり,4分の1分以上の世帯では金融資産がないという事実が判明します.
また,中央値をとると,それぞれ419万円というデータも出てきます.
つまり,一部のお金持ちが平均額を引き上げているんだよー.
だから,データの一側面だけを見て鵜呑みにするんじゃなくて,
見せられたものを少し疑ってかかることも大切だよ.
そんな話をしました.
さて,長々と失礼しました.
「うんうん,なるほど」と思っていただいたかもしれません.
しかし,ここにも落とし穴!!
実は,今回の記事に,2か所だけわざと誤りを載せてあります.
それはいったい何でしょう.
年末年始にぜひ,親子で探してみてくださいね.
それでは皆様,よい2021年をお迎えください.
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