学校の様子

1年生その19 【“いのち”・学び】道徳「いのちがあってよかった」の学習を終えて

 「31 いのちがあってよかった」という教材を通して、たった一つのかけがえのない命を大切にしようとする態度を育みたいと考えました。

 今回取り上げた「いのちがあってよかった」という教材は、主人公・ちあきの1年前の話のことです。ちあきが祖母の家に泊まりに行った時、道を渡ろうとして飛び出し、交通事故に遭い、救急車で病院に運ばれて入院することになってしまったという内容です。

 1年生という発達段階から、日々の生活経験の中で生きていることのすばらしさを感じ取ることができるようになればと、当たり前のことで見過ごしがちな「生きている証」を実感させたいと思い学習計画を立てました。

 

 授業冒頭では、まず「『いのち』と聞いて どんなことが思い浮かびますか。」と尋ねてみました。

子どもたちから

・しんじゃうのかな 

・大せつなもの 

・こころといっしょ 

・じぶんのからだに1つしかない

・ないと生きられない

などの反応が返ってきました。普段なかなか「いのち」について考えることも少ないと思うので、意見が出にくい印象がありました。

 

 教師による教材文の範読の後、挿絵を基に、この物語の主人公であるちあきさんの気持ちについて子どもたちと考えていきました。

◇病院のベッドでお母さん、お父さんの顔を見た時のちあきさんの気持ち」について

・なにがおこったんだろう。

・なんでおとうさんやおかあさんがかなしんでいるんだろう。

・かなしい気もちといたい気もち。 

・あたまとかうって いやな気もちになった。

・生きていてよかった。

・ちゃんと左右をかくにんすればよかった、とび出してしまって(かぞくにたいして)ごめんね。

・もしかして しんでしまっていたかもしれない。

 

本文の中盤、主人公のちあきさんが右手にギブスを付けることになり、日常生活が送れない様子が描かれています。

◇「ギブスをして生活をしている時のちあきさんの気持ち」について

・生活がしづらいな。

・かなしい、つらいなあ。

・自分をサポートしてくれている人に申し訳ない。

・わたしのためにありがとう。

・かんしゃするくらいうれしい。

・かぞくがいてよかった。

・生きていてよかった。

 

そして、教材文のクライマックスである、登場人物の父親からさらに主題について考えを深めていきました。

◇「『なまえをよんでもおきないときは、しぬんじゃないかとおもったよ。ちあき、よくがんばったね。』という父親の言葉を聞いた時のちあきの気持ち」について

・おとうさんにたいして「ありがとう。」という気もちになった。

・おとうさんにびっくりさせちゃって ごめんね。

・わたしのこと、そんなに たいせつだったのか。

 

物語の最後、十日間入院して退院することになったちあきさんを家族総出で退院のお迎えに来てくれたシーンが出てきます。

◇「その時のちあきさんの気持ち」について

・しんぱいをしてくれて ありがとう。

・こんなにしんぱいをしてくれたんだ。

・いままでめんどうを見てくれてありがとう。

・しんぱいをかけてごめんね。

・入いんしているときにいろいろしてくれてありがとう。

・大人になってじぶんの子どももこんな目にあわなければいいな。

  

学習のまとめとして、教師の体験談や子どもたちへの思いを伝え、「てのひらを太陽に」の曲を聞きながら学習を終えました。学習後の子どもたちの振り返りには、

・いのちってこんなにも大せつで大じだなとおもった。

・いのちを大せつにしないといけないなとおもった。

・いのちは一つしかないから大せつにしていきます。

・いのちが一ばん大せつとおもった。

・いのちは大せつな人のためにあるとおもった。

・じこにはあったことはないけれど、わたしもびょういんに入いんしたことがあります。ママやパパにごはんをたべさせてもらったり、本をよんでもらったりしてうれしかったです。

・じこにあうとこんなにおうちの人がしんぱいするんだなとおもいました。

・みんなのいのちもまもれたらいいです。

・(ちあきさんのかぞくは)かぞくをうしなわなくてよかったです。

・ちあきさんが『いのちがあってよかった。』と気づけたなら、わたしは まんぞくです。ちあきさんは、いのちがたすかってよかったです。

・うたをきいて、生きてるってたいせつなんだなあ とおもいました。

・「手のひらをたいように」のうたはいのちにかかわるきょくでとてもいいきょくだとおもいました。

・いのちは、せかい一たいせつなものであるということが、わかりました。いのちは、虫にもさかなにも、どうぶつにもあるんだなとおもいました。

 

 子どもたちが少しでも命の大切さを実感し、自分の命も友達の命も家族の命も大切に感じてくれたらと思います。

 ぜひご家庭でも生命の尊さのお話などをして対話をしていただけたら幸いです。子どもたちから「こんな話をしたよ。」という報告を楽しみにしています。