日誌

4学年『「なぜ」を考える』

算数は、小数の割り算の筆算を学習しています。

「小数のわり算は、小数点を動かして商に付ける」と、機械的に覚えれば簡単です。
しかし、ただ計算の方法を覚えるのではなく、なぜそのアルゴリズムが成り立つのかを、授業でしっかりと考えさせたいものです。

授業では、7.2÷3の筆算の方法を考えました。

教師:「7.2÷3はいくつになりますか?」
児童:「2.4です。」
教師:「なぜ、2.4になりますか?」

・・・と聞いても、なかなか手が上がりません。
そうですよね、正しい事を説明するのは、なかなか難しいものです。
反対に、正しい事を説明するよりも、間違っていることを説明する方が、説明しやすいかもしれません。
そこで、こんな問いかけをしてみます。

教師:「7.2÷3、できた? 
    これさぁ、みんなが一番間違えやすいのって、どんな数だと思う?」
児童:「24だと思うよ。」
教師:「なんで24が間違いなの?」
児童:「だって、小数点を付けるのを忘れているから。」
    「3で割っているのに、割られる数の7.2よりも、大きい数になっているのは変だよ。」
    「割る数×商=割られる数 になるはずなのに、24だとならないよ。」
    「72÷3の計算をした時には、7.2を10倍して考えているはずだから、商を10分の1にしなくてはいけない。」

出てきてほしい説明がたくさん出てきました。

また、「みんなが一番間違えやすい」と、「不特定の誰かさん」が間違えた考え方をみんなで検討しているので、誰も嫌な思いをしません。
(そのうち、教室のどこからか「あー!」「そっかぁ!」という声が聞こえてきます。みんなの話し合いを聞いて、機械的に筆算をしていた人が、なぜ小数点が付くのか理解できたようです。)

間違えた答えをそのままにするのではなく、それがなぜ間違いなのかを考えることも、大切だと考えています。