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2007年10月の記事一覧

教師の卵は日野市のICTで学ぶ(3)・・・南平小・二小取材

昨日はICT活用に関する教員養成を行うためのモジュール型コア教材撮影第3日目。


午前中に2つの学校の授業の撮影がありました。
いずれも学習の個別化のためのICT活用の授業風景です。
授業者は2人とも、ひのっ子教育21開発委員会のメンバーの先生です。

 

まず、南平小学校で、第3学年算数「10000より大きい数」の授業を取材しました。



授業者の木部美行教諭教師用画面で確認しながら個別指導

授業が終わっても、「先生、あと少しのばして!」「もう少しで終わるから待って!」の声があがりました。
◆以下、授業後の子ども達の感想です。3年生の子ども達が、自分がどこができなかったのかをきちんと把握できたこと、達成感をもっていたことが印象的でした。
 ・「教室での勉強は、木部先生が楽しくて、みんなも一緒だから好き。でもコンピュータでの勉強は、木部先生が来てくれて教えてくれる
  からもっと好きです。」
 ・「漢字で書いてある数を数字に直すのができなかったけれど、コンピュータに教えてもらってわかるようになりました。」
 ・「ゼロの位があった時に、それを抜かしてしまって間違えていたことをコンピュータに教えてもらって、今はもう間違えません。」
◆授業者の木部美行教諭の言葉です。
 「コンピュータにより、子ども達がどんな間違えをしているか、どこでつまずいたか、次にどのような手立てをしたらいいかがわかること
 が利点です。
 授業後に記録を分析して新たな発見もあります。 
 普段できていると思っていた子も意外なところでつまずいていることがあるのです。使うたびに子どもが見えてきます。
 また、子どもにとっても、教室では一度間違えると次に違う子が答えますが、コンピュータでは一度間違えても次にもう一度チャンスが
 あり、自力で答えてほめてもらえます。
 このようなコンピュータを使った個別学習の指導方法のコツは、教室での一斉指導の方法とは違うことを意識することです。
 教師は一斉指導に慣れていて、どの子にも同じにしないと気が済まないという欠点があります。
 しかし、理解するのにペースの速い子もいれば遅い子もいます。全員揃ってここまでやる、というようなことは考えない、揃って同じこと
 をしなくても良い、それぞれに対応できるという前提に学習が行われることを意識することが大切です。」

 

続いて、日野第二小学校で、第6学年算数「分数のわり算」の授業を取材しました。


授業者は青木裕子教諭

  
教師用画面で確認しながら個別指導

◆以下、授業後に、子ども達は、以下のような感想を述べてくれました。さすがに6年生です。
 ・「間違えたら「苦手クリア」のところにいって詳しく教えてくれます。自分は分数のわり算で、分子と分母を逆にしてかけるのを忘れがちだった
  けど、このことを教えてくれて間違えなくなりました。最後に自分の結果が出て、伸びているんだなあと言うことがわかりました。」
 ・「ヒントが出てきたり、励ましの言葉が出てきたりしてもっとやりたいと言う気持ちになります。それに、最後まで教えてくれるので、
  力が付くと思います。」
 ・「教室では先生が教えてくれてそれも楽しいけれど、わからないことはみんなの前ではなかなか聞けません。
  でも、コンピュータは個人的に教えてくれるし、先生も来てくれます。」
 ・「このコンピュータでの学習を続けると読む力がつくと思います。」
 ・「みんなでやることも必要だけど、社会に出て行くと一人なのだから、こういう学習は必要だと思います。」
◆授業者の青木裕子教諭の言葉です。
 「子ども達は慣れてくると、自分のペースで進められ、つまずいたところは繰り返し練習できるというコンピュータによる個別学習の
 よさがわかるようになってきました。
 普段の授業でもノートに書くということには力を入れていますが、今日の授業でも子ども達は画面を見ながら、ごく自然にかなりの
 量の計算を書いています。
 一人一人が真剣にコンピュータに向かい合いながらも、つまずいたところで隣の子に聞いてみたり先生に聞いてみたり・・・という
 コミュニケーションもできています。
 自分も、教師用の画面を見ながらその場ですぐに評価でき、支援を必要としている子どものところに行って教えてあげることが
 できるのが魅力だと感じています。」

◆日野第二小学校の中村康成校長先生の言葉です。


「コンピュータによる個別学習の意義は、子ども達一人一人の学びに対応できることで、これは教室の中では限界があります。
今回使ったコンテンツは、単なる正解を求めるコンテンツとは違い、ベテランの先生達のノウハウがたくさんつまっているものです。
だからこそ、確実に学習の成果があり、学力がつきます。
このような形の授業、コンピュータを活用した授業については、若手だけでなくベテランの先生も指導方法を勉強しているところです。」