2007年10月の記事一覧
全学年で情報安全教育の授業を公開
情報安全教育・・・
今の子どもたちは生まれたときからインターネットは当たり前の存在です。
しかし、昨今、インターネットや携帯電話をめぐる犯罪が多発し、子どもたちも巻き込まれ、加害者や被害者となっています。
そこで、発達段階に応じた交通安全教育が必要であると同じように、情報安全教育も必要になってきました。
教員のICT活用指導力の基準にも「D情報モラルなどを指導する力」と示されています。
モラルやマナーだけではなく、正しい知識や理解も必要となるため、日野市では「情報安全教育」と呼んでいます。
この教育は、当然ながら学校だけでは限界があり、家庭との連携が不可欠です。保護者と一緒に進めていく機会が必要です。
今日は日野第四中学校の学校公開日。朝学活から放課後の諸活動までの公開です。
その中で、全学年が情報安全教育に関する内容を道徳の授業で行い、公開するという企画が立てられました。
1校時目は1年生が食堂で学年合同の授業、3年生が各クラスでの授業、
2校時目は2年生が食堂で学年合同の授業です。
第3学年の授業風景(教員のICT活用指導力D-3 情報の信頼性やネット犯罪の危険性を知り、正しく安全に活用できるようにする)
日野市の小・中学校全校に導入されているNetモラルのコンテンツを活用しました。 | 中・高生に人気の自己紹介サイト「プロフ」に関する新聞記事も参考資料として取り上げました。 |
みんなで話し合いながら授業が進められました。「プロフは楽しいものだと思っていたけれど・・・」 |
授業後のワークシートを見せていただきました。
「こんな危険があるとは知らなかったので勉強になった。
交流を求めるサイトで個人情報は絶対に載せちゃだめだと思った。
特に本名、メールアドレスや住所などを載せたら大変なことになるかもしれないことがよくわかった。」
食堂で学年合同で行われた授業風景(第2学年)
(教員のICT活用指導力D-2 情報の保護や取扱に関する基本的なルールや法律の内容を理解する
D-3 情報の信頼性やネット犯罪の危険性を知り、正しく安全に活用できるようにする)
講師は、警視庁八王子少年センター副主査の井口由美子さんです。
「携帯・インターネットの危険性」というテーマで、特に犯罪防止という視点から具体的な事例についてわかりやすくお話してくださいました。
◇詐欺・悪質商法:利用していなければ払う必要はありません。大人に相談しましょう。
◇チェーンメール:友達に送ってはいけません。日本データ通信協会のホームページに転送専用アドレスがあります。
◇チャット・掲示板・SMS:個人的に1対1で会ってはいけません。親や先生に相談しましょう。
書き込む前にしばらく時間をおきましょう。面と向かっては言えないことは書き込まないこと。
書き込んだ内容によっては刑法の罪に問われることもあります。
プロバイダーは発信した人を調べることができ、その情報を警察や裁判所に提供することがあります。
◇懸賞・アンケート:安易に答えてはいけません。個人情報を教えるのは慎重に。
◇ホームページ・プロフィールサイト:載せる前に、映っている人全員に載せていいかどうか聞きましょう。
最後に、「ネチケットを守ろう」というお話を、インターネット利用の10か条でまとめてくださいました。
講師の方のお話によると、昨年度都内で携帯出会い系サイトを利用して犯罪被害を受けた少年は、142名もいたということです。
「だから、携帯はいけない、インターネットはいけない」と道具のせいにはしていられません。
今日の学年合同授業は多くの保護者の方が一緒にお話を聞いてくださいました。
その中には、保護司さんなど地域の方もいらっしゃいました。
「これからは保護者向けのこういう内容の研修が必要だと思っています。」とおっしゃっていました。
ある幼稚園の園長先生からも、保護者間でのチェーンメールの対応について相談されたという話をお聞きしたことがあります。
すでに四中地区青少年育成会では、7月に保護者向けの情報安全教育研修会を実施されました。
教育委員会も、市P教と一緒に保護者向けの講演会を予定しています。
保護者の方と一緒に、インターネットや携帯の危険性やその対応を知ると同時に、
それを上手に使える子どもたちを育てていくことを考えたいと思っています。
【予定している情報安全教育講演会の概要】
・11月29日(木)午後6時半より市民会館大ホール
・講師:独立法人メディア教育開発センター研究開発部・准教授の堀田龍也先生
・演題:“学校と家庭で取り組む「メディアとのつきあい方学習」”
多くの保護者の方に集まっていただきたいと考えています。