学校日記

校長先生ごめんなさい

【ある日の校長講話を紹介します】

 

今日は先週あったとてもうれしい出来事についてお話をします。

私が朝、挨拶運動をするために校門に向かって歩いていた時のことです。

一人の男の子が私に近づいてきました。

私は朝、多くの子供たちとじゃんけんをしていますから、

「この子も私とじゃんけんをするために近づいてきたのかな」と思いました。

でも違いました。

この子は私の目の前に立つと同時に「校長先生 ごめんなさい」と言い出したのです。

「どうしてあやまるのかな?」と聞くと、その子は

「入っちゃいけない所に入ってしまいました。ごめんなさい」というのです。

私はさらに「入っちゃいけないって分かっていたのに、

なぜ入ってしまったのかな?」と聞くと、

「お友達が入っていたから、ぼくもつい入っちゃったんです」

と言いながらポロリと涙をこぼしました。

 

校長先生ね、この子のことを叱るなんてできないなあって思いました。

確かに、この子は、南平小学校の約束を守れませんでした。

普通なら叱られるところでしょう。

でも、校長先生は叱れなかった。

叱ることよりももっと大切なことがあると思ったからです。

さあ、なんだと思いますか。少し考えてみてください。

 

正解は「この子をほめること」です。

いけないことをしたのにほめるっておかしいって思ったでしょうか。

でもね。この子は、自分がやったことを自分で反省し、

自分からごめんなさいと素直に言えたのです。

こんな立派なことができる子を、校長先生は叱れないと思ったのです。

むしろほめてあげたいって思ったのです。

 

誰にでも失敗はあります。でも、失敗をしたあとが大事なのです。

この子は失敗をした後、逃げませんでした。

嘘をついてごまかしませんでした。
自分が悪いと認め、そして自分から謝りました。

大人でも逃げたくなることがあります。言い訳したくなることがあります。

ごまかそうと思ってしまうことがあります。校長先生だって同じです。

でもこの子はしなかった。

入ってはいけないところに入ったのは困るけど、
その後の行動が素晴らしいのです。

だからほめてあげたいと思いました。

私は思わず「えらい。素敵な心が育っているね」と叫んでしまいました。

 

心は、頭や体と同じで育てるものです。

この子はきっと素敵な心をもった大人に育つだろうなとうれしくなりました。

そして、南平小学校のあちこちにかくれている、

さらにたくさんの素敵な心を見付けたいなと思いました。

 

一人の男の子の素敵な心に癒されたというお話、これでおわります。

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本校が大切にしていることの一部分をお伝えできたらうれしいです