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サウイフモノニ ワタシハナリタイ

「雨ニモマケズ 風ニモマケズ 雪ニモ夏ノアツサニモマケヌ 丈夫ナカラダヲモチ・・・」

5年生が、道徳の時間に、宮沢賢治の「雨ニモマケズ」の一節を読み、その生き方について学んでいます。

宮沢賢治は、1896(明治29)年、岩手県花巻市で生まれました。

岩手県は、春から夏(6月から8月)に吹く冷たく湿った東よりの風(やませ)の影響で、夏に気温が上がらず、作物が育たないことがたびたびあります。

こうした自然の厳しさを知る賢治は、農学校の教師を経て、よい土や肥料の研究を行い、農民と共に生きる生活を送ります。

わずか37年の生涯を閉じる前日まで、農民の相談に親身に応じ、自分の理想を追い続けた姿は、現代に生きる私たちにも強く訴えるものがあります。

宮沢賢治は、6年生の国語「やまなし」でも取り上げられます。

この「やまなし」は、小学校の国語で最も難読な物語文とも言われるものです。

それは、単なる文章の読み取りだけでなく、作者である賢治自身の生き様を理解しないと主題に迫ることができないからです。

本校では、できるだけ、互いの授業を見合って、指導力を高めることを推奨していますが、5年生の道徳で宮沢賢治が取り上げられているため、5年生の担任以外にも6年生の担任が揃って授業を参観するなど、教員同士が学び合って授業に生かそうとしています。

5年生の子供たちは、賢治の生き方を学んだうえで、「困難や自分の弱さを乗り越えて、強く誇り高い生き方をした人」について考え、意見を交流しています。

端末に各自の意見をまとめていますが、「そういう人は知らない」と書いている子も多くいます。

校長「『知らない』っていうのも仕方ないのかな・・・。」

5年生A「だったら、校長先生はそういう人、知ってるの?」

そんな質問が出るとは思っていなかったのですが、とっさに、

校長「うーん、苦しい思いをして校長先生のことを産んでくれたから、校長先生のお母さんかな。」

と答えると、聞いた子も納得していたようです。

全体で意見を共有すると、ベートーベンやチャップリンなどの偉人を抑えて、「お母さん」と書いた子が多かったようです。(校長は、5年生Aの子に小声で話していたので、他の子の考えに影響を与えていたわけではありません。)

「雨ニモマケズ」の末節は、「ミンナニデクノボートヨバレ ホメラレモセズ クニモサレズ サウイフモノニ ワタシハナリタイ」です。

5年生の多くは、「お母さんのようになりたい」と思っているのかもしれませんね。【校長】