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研究授業【目指せスーパー5年生!ICTで縦と横のつながりを生み、成長していく!】

 潤徳小学校では、「主体的に考えを表現し、学び合う児童の育成」~Chromebookの効果的な活用法の研究~をテーマに授業改善を進めています。10月19日に3年生の特別活動の研究授業を行いました。題材名は、「目指せスーパー5年生!高学年への第一歩!」です。

①つかむ【理想的な5年生の姿って?】


はじめに、前時までにみんなで考えた理想的な5年生の姿を振り返りました。4年生は、運動会や縦割りでの5年生の姿だけでなく、実際に5年生の授業を直接見に行くなどして、かっこいいと思ったことなどを学級活動で考えてきました。全部で4つの意見が出ていました。①下学年に優しい②下学年の見本③前向きに学習する④みんなで協力できる。この4つが全て揃って、スーパー5年生になれる、とこのクラスでは考えました。

②探る【現5年生にアンケートを取ってみた!】

 教師がスライドを使いながら、現5年生にとったアンケート結果を確認しました。5年生の子からの生の声ということで、「えー!なんだろう?」と子供たちの関心がぐっと高まるのを感じました。楽しかったことは、八ヶ岳、クラス替え、委員会、新しい友達など。次に、大変だったことを確認しました。委員会、縦割り班遊び、勉強など。委員会が楽しいことのランキングにも、大変なことのランキングにも入っていることに気付き「なんで?」と驚いた4年生。初めてのことだし、休み時間も使うから、という理由を知り「なるほど。」と頷いていました。また、縦割り班遊びでは、いつも一年生のお迎えをしていたことを知り、「そうだったんだ!」と驚いていました。

 かっこいい、と思っていた5年生も、大変だと思うことをたくさん乗り越えながら、「スーパー5年生」になったのだなあ、ということを感じたところで、本時の課題に入ります。

 

③見つける【アナログとデジタルを使い分けて、自分のめあてを見つけていく】


スーパー5年生になるために、今からできることを考えます。まずは、付箋に自分の考えためあてを書く時間です。学級で見つけた「スーパー5年生」の4つの要素を意識しながら、書いていきます。

 

 

その後、一人一人の意見を班で話し合いました。班での意見共有は、デジタルツールは使いません。身近な人には直接、目を見て話すこと、やり取りをしながら学び合うことを大切にしてほしいからです。

付箋を見ながら、Xチャートにめあてを張り付けていきます。Xチャートに貼ることで、「下学年の見本のところが、少ないね。何か考えてみよう。」と、考えを広げることができました。

その後、班でまとめたXチャートをchromebookで写真に撮り、ムーブノートで共有をしました。

ムーブノートでは、このクラスだけでなく、4年生のすべてのクラスの考えが見られるようになっています。

班よりも大きい単位で考えを共有し合う際には、ムーブノートなどのICTツールの活用が効果的です。

 

④決める【ICTで、めあての視覚化。縦・横のつながりを通して、成長していく】


ムーブノートで色々な考えを知った後は、自分のめあてを一つ決めました。スマイルカードに、名前ペンでめあてを記入します。このカードは、廊下に掲示し、どのクラスの子もいつでも見られるようにしていきます。

また、スプレッドシートに、カードに書いためあてを記入しました。このスプレッドシートは、昨年度から引き続き活用しているもので、めあてを立てるだけでなく、毎日の振り返りをすることで、決めたことを実行できるようにしています。このファイルも、クラス全体で共有しているので、友達がどんなことを頑張っているのか、見ることができます。

 

↑スプレッドシート。青丸には児童の名前。シートを変えることで、他の子の頑張りが見えます。

 

 

最後に、「実は…5年生からのメッセージが届いています。」との担任の言葉に、わーっと湧き上がる子供たち。「委員会やクラブなどの高学年の仲間として頑張りましょう。」「大変なこともあるけど、気軽に相談してね。」などのメッセージを読みました。また、動画でのメッセージを見た後には、自然と拍手を送る4年生でした。こうして、縦の学年とのつながりを生むことができるのも、「時間と空間を越えてつながれる」ICTを活用する利点です。

 

 

授業後の研究協議会では、帝京大学教授の福島健介先生に講義をしていただきました。講義の中では、特別活動の授業として完成度の高いものであったこと、「時間・空間を越えた人とのつながり」という点で提案性の高い授業であったことを評価していただきました。

どういう意図をもってICTを使っているのか、常に考えること。「インプットし、人とつながるための道具としてのI CT」なのか「アウトプットし、人とつながるための道具としてのICT」なのかを見極めること。ICTを使う必然性は何なのか、何が良さだったのかをメタ化し、全職員で共有するやったことの意義が共有されることで、研究が深まっていくことを指導していただきました。

また、チャートの使い方、話し合いのゴールを明確にすることの大切さを教えていただきました。Xチャートは分類して、「ここは少ない」「ここは多い」なと気付くツールであることなど、どういう意図をもって使うのか、話し合いの時にどのように活用してほしいのかを明確にする必要性を感じました。また、授業者自評にもありましたが、学び合った内容を自分事とする時間、メッセージを読んでから考える時間など、時間をもう少し捻出した方がいいことを指導していただきました。

ICTツールを使って、先生が話している時間、子供が自分で考えている時間、子供たちが話し合っている時間をグラフ化していただきました。先生が話す時間を減らせそうだ、ということが視覚化できました。授業のあり方を教師がメタ化するためにも、ICTによる分析を活用できることを教えていただきました。

また、次回に向けての課題もいただきました。「主体的」というのは、「自己調整能力(メタ認知)」「情意的な能力(できるかな、やってみようかなという気持ち)」を高めることであり、その視点をもつことが今後の研究に必要なことと感じました。

評価していただいた点、指導していただいた点を学校として振り返りながら、今後ICT活用の意義をメタ化し、共有し、研究を深めていきます。

 【研究推進委員会】