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見えない空気の変化を知るためには?

校内を回っていると、6年生が理科室で実験の準備を進めているのが見えたので、中に入ってみました。

「ものの燃え方」の学習をしているようです。

燃焼には酸素が必要ですが、その様子は、観察しているだけでは分かりません。

空気は透明ですから、酸素が使われたとしても見えないわけです。

そこで、「気体検知管」の使い方を学びます。

酸素の含有量が視覚的に分かるようにするわけです。

まずは、ろうそくに火をつけ、燃焼させるところから実験が始まるわけですが、この時点でプチパニックになる班が出てきます。

マッチで火をつけることに大苦戦しているのです。

自動で点火できる「点火棒(ライター)」を使用している班もあるのですが、マッチにチャレンジしているところは、なかなかうまくいきません。

日常生活でもなかなかマッチを使うことは少なくなっているのではないでしょうか。

恐怖のためか、なかなかマッチを強く擦ることができません。

校長「もっと、早く擦らないと・・・。これじゃあ、将来、プロキャンパーになれないよ!」

わけの分からない応援の仕方ですが、何とか、ろうそくに火をつけることができました。

ろうそくを集気びんの中に入れ、速やかにふたをして、その変化を見ます。

すると、だんだんと炎が小さくなり、やがて消えてしまいます。

風も吹いていないのに不思議です。

ということは、集気びんの中の空気に何らかの変化が起きていることが予想できるわけです。

子供たちは、ろうそくを点火する前に、理科室内の空気の酸素の割合を「気体検知管」で調べています。

すると、酸素が20%ほど含まれているのが分かります。

そのうえで、ろうそくが消えたら急いで、「気体検知管」を集気びんに入れ、中の空気を採取して、酸素の割合を測定します。

すると、酸素の割合が、16%程度に減っていることが確認できました。

このことから、ものが燃焼するには、酸素が使われていることが立証できるわけです。

見えないものを見えるようにするという発想で、昔の人が確かめることもできなかった変化を明らかにすることができました。

「ものが燃えるためには酸素が必要である」という学習のまとめも大切ですが、人類が絶えず研究を進めてきた科学の進歩にも思いを馳せてほしいものです。【校長】