2007年8月の記事一覧
2学期からの授業に向けて
教育センターのコンピュータ室では、2学期の授業準備に向けて、連日、夏季ICT活用研修が実施されています。
受講者の先生方は「わかる授業」「魅力ある授業」を目指して、熱心に学んでいます。
★8月3日(金) 「児童の活用 <インタラクティブ・スタディ(個に応じた完全習得学習>」
ICT活用指導力基準 A-4 C-4
一人の子どもになりきって、算数の教材を体験。 | 「先生を呼びなさい」のメッセージ画面に対する対応。 |
◇受講された先生方の感想
・インタラクティブ・スタディを理論から操作へとわかりやすく教えていただき、2学期から早速使えるようになった。
・教材の特徴や授業のやり方がくわしくわかり、学校へ帰って自信をもってやれそう。コンピューターへの苦手意識もとれた。
★8月6日(月)「児童の活用 <スタディノート(コミュニケーションを重視したWebノート)基礎編>」
ICT活用指導力基準 C-2 C-3
調べたことや考えを表現し、意見交換をします。 | 音声の録音は、朗読学習のポートフォリオにもなりま す。 |
◇受講された先生方の感想
・自分の頭をやわらかくし、コンピュータを使うからこそ効果的になること、子どもたち同士が伝え合える指導方法を、きちんと見極めたい。
・学校現場は何もかもがワークシートであふれている。職員室だけでなく、教室にもいい意味での「ペーパーレス」にしていけるといいのかなと思う。子どもも「ワークシートに書いてばかり・・・」で「書くことに」にうんざりしてしまっては本末転倒。簡単なことはコンピュータを使ってみよう。
・音読録音と振り返りは、小学校1年生にも使えそう。
・スタディノートを初めて使ったが、パワーポイントよりも簡単で、生徒が使いこなせると思った。2学期以降、英語授業に取り入れていこうと考えている。スピーチや英作文の指導(native check)で使えれば、と思う。今から楽しみに思えてきた。
★8月7日(火)「児童の活用 <スタディノート(コミュニケーションを重視したWebノート)応用編>」
ICT活用指導力基準 C-2 C-3
講師は、優れた実践を行った市内の先生(日野第四小学校の神尾健彦教諭)
◇受講された先生方の感想
・学校間で情報をやりとりすることもできるようだが、まずは校内で学年でやってみることも大切かなと思う。そのためには、自分のクラスだけでなく、学校全体が使える体制になっていないと・・・
・日野第四小学校3年社会「昔の道具年表」の事例を教えていただいた。また、実際に子どもの立場になって実際にワーク作りを体験したことで、2学期以降の自分の授業を組み立てる上で先が見通せて良かった。
・パソコン室でスタディノートを使った授業をするために、時間割の調整が必要になってくると思う。全教科でICTを使って授業を進めていくことになるので、上手に調整して生徒たちのためになるように努力していこうと思う。
◆こんな授業でスタディノートを活用したい・・・受講者の先生方で紹介し合いました。(以下は、その一例です)
小学校:国語(「ニュース番組作り」グループごとに取材し、情報交換)
生活科(「冬探しで見つけたよ」マップ機能を活用)
図工展覧会(マップ機能で作品を整理し、展示できない作品を紹介)
総合的な学習の時間(「多摩川探検」で情報交換)
中学校:英語(One minute Chat 録音機能の活用)
体育(動画機能の活用 お互いの技能をデジカメで撮り、相互評価)
★8月8日(水)「授業中の提示 <大きくうつそう(e-黒板、書画カメラの活用)>」
ICT活用指導力基準 B-1 B-2 B-3 B-4
機器の操作をしっかり覚えた後は、各自授業展開案を作成し、機器を使って発表会を行いました。
◇受講された先生方の感想
・今日は、みんなが実際に設置から片づけまで体験できたので、しっかりと自分の身につけることができた。2学期から実際に使うことになるので、今日習ったことをすぐに活かしていこうと思う。
・校内での説明会ではまったく理解できず、活用しなければと思いつつも遠のいていたが、今日の研修で実際に機器を使うことで活用法が理解できた。一コマ終わるごとに満足感が得られ、参加してよかった、ぜひ活用しようという気持ちになった。
・基本的なことから応用までを知ることができた。今までは、教科書を映しだすということしかしていなかったが、今日の研修で学んだことを活かして教材作りをしていきたい。
・授業の準備や授業時間のロスが減り、効率的に授業を進められると思う。9月、(中学校に)本格的に導入されるのが待ち遠しい。
◆e-黒板や書画カメラを活用してどのような授業展開が考えられるか指導略案を作成し、発表し合いました。(以下はその一例)
小学校:理科(観察カードを提示して発表)
算数(自分の考えた解法を提示して発表)
図工(立体作品発表)
音楽(譜面を拡大)
家庭科(糸通しの実演)
特別支援学級(ゲームの課題を提示)など・・・
中学校:英語(パターンプラクティスで活用する小道具を画像として取り込んでおく)
数学(Web教材の図形を提示して説明)
社会(三権分立の完成図を提示し説明)
理科(音の波形を提示し説明)
自然の中で教師としての自分を見つめた成果
初任者宿泊研修3日目のプログラム
昨日のプログラム終了後、グループごとに考えた授業づくり(導入)の発表です。
何を伝えたいのか、そのためにどんな工夫をしているのか・・・
条件は3つ。ネイチャーゲームを取り入れること、自分の行動の振り返りを入れること、20分以内に終わること。
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実際に、2学期からの授業を想定した発表です。 | 体験活動を終えて、改善点を洗い出し、まとめの作業を行いました。 |
夕方、初任者の先生方は、八ヶ岳から、よりたくましくなって元気に帰ってきました・・・
「3日間の研修を生かして、2学期は、子どもたちと一緒にがんばります!」
◆初任者の先生方の感想
◇「とても充実した3日間だった。1日目、2日目と様々なアクティビティを行う中で、“自分”を振り返り、教師としての在り方も考えることができた。また、グループやペアなどでの活動があったので、たくさんの人とかかわることができた。最後のプログラムでは、意見が対立することもあり、泣きそうになることもあったが、最終的にはまとまることができてよかった。今回の研修を生かして、2学期以降、指導していきたい。」
◇「自分は、今まで何かと中心者として積極的にみんなをリードすることによって団体の中においての役割を果たしてきた。しかし、今回のアクティビティ「木登り」の中で、命を仲間に預けることに戸惑いを感じている自分を発見した。みんなをリードすることよりも、みんなを信じて託すことに勇気を必要とすることを学んだ。学んだアクティビティの数々は、参加した自分たちの心を開放し、“自分らしさ”や“協力し合うことで得られる喜び”を感じさせてくれるものだった。この経験を深めて、これからの教員生活に生かしていきたい。」
◇「今回の研修で学んだことはたくさんあるが、私は特に次の2つを大切にしていきたい。まず1つ目は、グループ活動では、一人一人が違う気持ちをもって行動しているから、それぞれの気持ちを察しながら声かけを行っていくことが大切であるということ。「自分のために」よりも「チームのために」を思うと、より大きな力を発揮できることを再認識した。このことを子ども達に伝えていきたい。2つ目は、“自分らしさ”を大切にすること。自分らしさを出している人はとても魅力的である。どこか、自分を閉じ込めてしまう、またそうせざるを得ない状況もあるが、子どもに“自分らしさ”をぶつけ、この先生についていきたいと思えるような魅力的な教師になりたい。」
◇「この3日間、屋外のゲームを通していろいろと学ぶことができた。まず、クラスの団結とも通じるチームワークについて、励ましや応援などの“メンテナンス機能”と、~しようなどの“タスク機能”のバランスが大事であるということを学び、全員が一つに団結するには、役割をしっかり考えなくてはならないのだということを知った。次に、リーダーとリーダーシップの違いも学び、一人一人がリーダーシップをとることができるのだということを知った。さらに、“自分らしさ”がいかに大事であるかを再認識し、今まで以上に“思い切ってがんばろう!”という気持ちが強くなった。」
◇「自然の中で自分と向き合ったり、周りの人と深く話せた3日間だった。研修を通して、今までの私は、人に自分のことを話すことが少なかったように思った。この3日間で初任者のみんなと心を開いて話すことができて本当に良かった。私は運動が苦手だが、どんなことにもチャレンジできたのは、仲間が温かく見守ってくれたからだ。研修を終えて思うこと、それは、“早く生徒に会いたい!!”・・・本当にたくさんのことを学んだ3日間だった。」
仲間の励ましを受けて・・・
澄みきった良い天気。大成荘の庭には、もう萩の花が咲いています。
今日も、大自然の中で体験活動に取り組みました。
毎年、この初任者宿泊研修では、大自然の中での体験活動と、それをコンピュータでまとめる活動、教材を作成する活動を行ってきました。
ICTの活用は、もう各学校で日常化しつつあります。そこで、今年の宿泊研修ではICTを取り入れず、体験活動を重点にして行っています。
仲間との協力、自分がどうあるべきかを学ぶ研修が続きます。
全員が、仲間のはげましを受けて、大木を登りきりました・・・
相手のいいところを言うこととそれを受ける方法をレクチャーしています・・・
秋の気配がする八ヶ岳にて
立秋とはいえ、暑い毎日です。
教師としての熱意と無限の可能性を秘めた初任者の先生方が、初秋の八ヶ岳高原に出発しました。
今日から3日間、日野市立八ヶ岳高原大成荘にて、初任者・新規採用者夏季宿泊研修が実施されています。
八ヶ岳の大自然の中で体験を通して、企画力、分析力、実践力などを身につけ、教師として自分自身を高めることがねらいです。
体験活動の中で・・・集団の中で自分がどんな役割をしているか、他の人はどうなのかということをつかみます。
体験活動の後は、それぞれのグループで、じっくりと振り返りの時間を取ります。
夕食は、キャンプ定番メニューの飯ごう炊飯とカレー。まずは薪割りから・・・
夜空の天体観測会は、雲が多くて中止。予定を変更して、所長さんによるスライド鑑賞会と星空勉強会となりました。
心機融合の心
下の写真は、そのアルバムの中の3つのページです。クリックするとはっきり見えます。 掲載にあたっては、許可をいただきました。
「創新の心」 | 「心機融合の心」 | 「敬の心」 |
井上志朗先生が師と仰ぐ関谷義道先生は、岐阜大学教育学部附属中学校の副校長としてご活躍された方です。
書道家でもあり、日展を始め、国内外の展覧会に多くの作品を出品されました。
以下、井上先生が、ご自身のwebサイトでお書きになった関谷先生のご紹介と、ご自身の感想です・・・
「先生は78歳のときに、心のカレンダーを作るため、パワーポイントを覚えられた。さらに、インターネットやメールを 覚えられた。
やりながら、パソコンやインターネットのよさを知り、人間がやらなければならないことと機械がやれることの融合を考えられた。
そして、できた言葉が「心機融合」なのだ。そして、この「心機融合」を附属中の玄関や集会用の 部屋に飾った。
先生は、心と機械がばらばらになっているのが今の時代だ。融合してこそ、インターネットの時代になるのだと諭された。
先生の言われることは、最近なるほどと感心することばかりである。
「創新」と言う言葉は、一番好きだ。創とは、倉に刀と書く。すなわち、倉にたまった古いものを刀で壊すのが、「創」なのだ。
新しいものを生み出したかったら、まず、古いものを壊すことから始めるのだ。こう教えていただき、附属中、那加中、京町小と実践してきた。
実践しながら、先生のおっしゃることは理にかなっていることに気づいた。
発想の転換ができるようになったのも、先生のおかげである。・・・・」