過去の推進室情報 2007年

2008年2月の記事一覧

沖縄からのお客様


昨朝、今朝とよく冷え込んだ朝が続きます。
昨日は、沖縄からお客様が来室されました。
沖縄県浦添市からお見えになった議員さんです。

事前に議会事務局から、視察を受けて欲しいという依頼を受けていました。
「是非日野市のICT活用教育のことを知りたい。参考にしたい。」という議員さんがいらっしゃるということでした。
最近では全国の自治体から電話でいろいろな問い合わせがありますが、沖縄は初めてです。
冬でもコートを着ることはないという沖縄。
氷点下となった日野市の朝に冷え込みに「ほおが落ちてしまうのではないかと思うほど寒かった・・・」とおっしゃっていました。


推進室のWebサイトも熱心に見ておられました。
推進室が中心となり、市全体が一丸となってICT活用教育を支えているという日野市の体制に感動しておられました。
約一時間ほどお話しさせていただき、「ぜひ、まねをして、本市のICT活用教育を推進していきたい。」という感想をいただきました。

全国のいろいろな学校と本市の学校とが共同学習で交流できたらすばらしいと思います。
夢が広がります。

日野市公立中学校教育研究会 研究発表会

大坂上中学校を会場にして、日野市公立中学校教育研究会の研究発表会が開かれました。
3つの実践が発表されました。

社会科部会の発表
ICTを活用した授業、自己評価活動を取り入れた三中での実践が中心に発表されました。Google Earthを導入で活用したり、書画カメラで資料等を大きく提示するなど、ICTを活用することで、生徒の興味・関心を高め、生徒の思考や理解を深めることができます。
「信州大学の東原先生から、大きく映し出すことで「生徒はよく見るようになる」と言われ、実践してみるとその通りでした。生徒はこちらを注目し、教師も生徒の顔を見ながら説明できることが利点です。」


道徳部会の発表
心の成長を培う道徳の授業を目指した、平山中での「伝統文化の継承」、三沢中での「コミュニケーションとマナー」の実践が中心に発表されました。
「プレゼンテーションソフトで作成した自作教材を活用することで、短時間で生徒の心をひきつけ、道徳的価値に気づかせることができました。」


東京教師道場で2年間部員として取り組んできた英語科の先生の報告です。
「授業作りの視点や学力向上に向けた取り組みなど、仲間の部員や助言者の方から多くの助言をもらい、お互いに切磋琢磨できました。授業改善とは、何か特別なことをするのではなく、あたり前のことをあたり前に毎日続けることが大事であるということを学びました。」

それにしても感動したのは、配布された研究紀要の内容です。
ほぼすべての部会で、ICTを活用した実践が掲載されていることです。
日野市ならではの研究紀要です。
市内の中学校の先生方が、この秋に整備されたICT環境をさっそく活用して授業改善等に取り組んでくださった意気込みが感じられ、
大変うれしく感じました。
今後の研究の深まりに期待したいと思います。

日野市公立小学校教育研究会 研究発表会

教育研究の日野・・・
小学校(小教研)も中学校(中教研)も、月に一度活動日があり、市内の小・中学校の先生方が、自主的に研究活動を行っています。
今日は、その両方の研究発表会が日野第五小学校と大坂上中学校で同時に開催されました。

   

日野第五小学校では、第40回目の日野市公立小学校教育研究会の研究発表会が開かれました。
体育館には約450人の市内の小学校の先生方で満杯になりました。

   

今年度、資料発表を行った部会は、あらかじめ資料を校務支援システムの掲示板に掲示しており、本日の印刷物の配布はありませんでした。
必要な情報を自分で取り出すシステムができつつあります。
舞台発表を行った部会は3つありました。



体育部:
キーワードは「友達との学び合い」 
「できる喜び」 授業場面を想定した
実演が行われました。
算数部:
キーワードは「根拠を表現する」 
「考える楽しさ」 5回の研究授業の
成果が示されました。




特活部:
キーワードは「友達とのかかわり合い」 
学級活動の場面を想定した実演が
行われました。

私たちからICTの波を起こしていきます!

★本日は、初任者・新規採用教員研修の14回目。いよいよ最後のまとめです。
今日と来週の2回にわたって、本研修の内容を振り返り、学んだことをプレゼンテーションによって発表します。

★第1部は、初任者研修で学んだことをグループごとに発表しました。
今日は、「教員としての基本姿勢やマナーについて」「ICT活用教育について」「人権教育と教育相談について」「宿泊研修から学んだこと」の4つについての発表です。
「ICT活用教育について」は、大変頼もしい発表でした。

日野市が学校にコンピュータを導入した理由(授業力の向上、情報活用能力の育成、校務の情報化)をまとめ、ICTを活用した授業に取組んだ実践も紹介されました。子どもの意欲や集中力を高める手助けとしてのICT活用、Webコンテンツを利用して子どもの興味を引きつける授業、オリジナルのコンテンツの作成・・・日野市の初任者だからこそ生まれた、他地域では見られない貴重な実践です。
最後に、「私たちからICTの波を起こしていきます!」という力強い宣言もありました。


★第2部は、一年を通して学んできたことを一人一人が発表しました。
5分から6分で表現するのはとても難しいことですが、6画面で、伝えたいポイントを押さえて堂々と発表していました。
動画を用いた発表も見られました。

 

「自分の思っている以上に子ども達は自分を見て感じていることがわかった。初心を忘れずに笑顔を忘れずに子どもと接していきたい。」
「目の前の子ども達をよく見て、よく理解するように努め、可能性を信じてできることから目標にしていきたい。」
「自分自身が変わったことで子どもも変わった。心も体も健康で元気な教師でいたい。」
「正しく理解してくれる人がいれば子どもは必ず力を発揮するという指導教員の言葉が身にしみた。児童理解こそ学級経営の基盤だとわかった。」
「自分の考えの甘さを痛感した一年だった。能力のちがう子どもをどのように一斉指導していくか、個の力をいかに伸ばすか、課題は多いが、いつどんなときでも変わらずに誠実に努力していきたい。」・・・

悩みながらも、学んだことをすぐに実践につなげてがんばってきた初任者の先生方です。
これからも謙虚に学び続けて欲しいと思います。


★最後に小学校校長会長の小杉校長先生(日野第一小学校)からお話をいただきました。

  

「先生の話し方、言葉遣い、板書、発問、服装、考え方、そして生き方・・・すべては子ども達に影響します。

先生は生きた教材です。明るく笑顔でがんばりましょう。」



思考力・判断力・表現力等をはぐくむために

★先日の日野第二中学校の研究発表会で、2年生が、グループごとに用水について調べたことを順番に前に立って発表していました。
なかなか奥の深い研究です。
実際に豊田用水に行って季節の違いを比較していました。用水に生息している生きもの、周辺で栽培されている野菜、そして農家の人のインタビューや管理している役所の担当課の話、さらに文献で歴史も調べていました。


みんな同じテーマですが、結果からいろいろなことを考察したはずです。
そのやりとりを見たいところでした。
この発表をマルチメディアで表現することで、人に伝えることをより意識した発表になるでしょうし、データを共有して吟味することで、互いの考えを深め合うこともできます。

市内全校に導入されているグループウエアソフト(スタディノート)を活用して、プレゼンテーション能力をつけるとともに、友達同士で考えを練り上げていく学習活動を推進していきたいと考えています。

来年度は市内の小・中学生の力をもっと引き出すために、各学校の教科や総合的な学習の時間での取組を「プレゼンテーション大会」として公開する機会を作りたいと考えています。

 

★この方向は、次のように、新学習指導要領でも、重視される予定になっているようです。
先月、中教審から出された答申で、学習指導要領の改訂について次のように記されています。

「今回の改訂においては、各学校で子どもたちの思考力・判断力・表現力等を確実にはぐくむために、まず、各教科の指導の中で、基礎的・基本的な知識・技能の習得とともに、観察・実験やレポートの作成、論述といったそれぞれの教科の知識・技能を活用する学習活動を充実させることを重視する必要がある。各教科におけるこのような取組があってこそ総合的な学習の時間における教科等を横断した課題解決的な学習や探究的な活動も充実するし、各教科の知識・技能の確実な定着にも結び付く。このように、各教科での習得や活用と総合的な学習の時間を中心とした探究は、決して一つの方向で進むだけではなく、例えば、知識・技能の活用や探究がその習得を促進するなど、相互に関連し合って力を伸ばしていくものである。」

そして、知識・技能の活用など思考力・判断力・表現力等をはぐくむための学習活動として、次のような例が挙げられています。

? 体験から感じ取ったことを表現する
(例) ・日常生活や体験的な学習活動の中で感じ取ったことを言葉や歌、絵、身体などを用いて表現する
? 事実を正確に理解し伝達する
(例) ・身近な動植物の観察や地域の公共施設等の見学の結果を記述・報告する
? 概念・法則・意図などを解釈し、説明したり活用したりする
(例) ・需要、供給などの概念で価格の変動をとらえて生産活動や消費活動に生かす
・衣食住や健康・安全に関する知識を活用して自分の生活を管理する
? 情報を分析・評価し、論述する
(例) ・学習や生活上の課題について、事柄を比較する、分類する、関連付けるなど考えるための技法を活用し、課題を整理する
・文章や資料を読んだ上で、自分の知識や経験に照らし合わせて、自分なりの考えをまとめて、A4・1枚(1000字程度)といった所与の条件の中で表現する
・自然事象や社会的事象に関する様々な情報や意見をグラフや図表などから読み取ったり、これらを用いて分かりやすく表現したりする
・自国や他国の歴史・文化・社会などについて調べ、分析したことを論述する
? 課題について、構想を立て実践し、評価・改善する
(例) ・理科の調査研究において、仮説を立てて、観察・実験を行い、その結果を整理し、考察し、まとめ、表現したり改善したりする
・芸術表現やものづくり等において、構想を練り、創作活動を行い、その結果を評価し、工夫・改善する
? 互いの考えを伝え合い、自らの考えや集団の考えを発展させる
(例) ・予想や仮説の検証方法を考察する場面で、予想や仮説と検証方法を討論しながら考えを深め合う
・将来の予測に関する問題などにおいて、問答やディベートの形式を用いて議論を深め、より高次の解決策に至る経験をさせる

☆参考:
2008年1月17日中教審答申
「幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善について」

http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/news/20080117.pdf