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東西潤徳小学校コラボレーション〜5年生社会:日本の気候編〜
山都町立潤徳小学校とのコラボレーションを始めてから、およそ半年が経ちました。
最初は、互いを知るための行事やイベント交流が中心でしたが、このコラボの真の目的は、交流により、互いの学びが深まること、つまり、授業での交流に発展させることにあります。
今日は、本校の研究主任が、研究主題「主体的に考えを表現し、学び合う児童の育成~Chromebookを活用した対話的な学びの実現~」に迫るため、山都・潤徳小の協力を得た授業に取り組みました。
5年生の社会科の授業です。
「わたしたちのくらしと国土」について学んでいる子供たち。
日本の気候と地形についても学習していきます。
担任「熊本県山都町と東京都日野市、どちらの平均気温が高いでしょうか。」
日野市の1年間の気温のグラフを確認しながら、子供たちに予想させます。
子供たちはタブレットに自分の意見を書いていきます。
5年生A「九州は南の方にあるから、山都町の方が高い。」
5年生B「沖縄の方に近いから、山都町の方が高い。」
5年生C「東京の方がにぎやかだから、日野市の方が高い。」
子供たちの大半の予想は「山都町の方が高い」です。
ここで、ゲストティーチャーとして、山都・潤徳小の6年生に山都町の気候について生解説してもらいました。
<春>
・4月になると、ようやく10℃を超えてくる。
・こたつを使っている家庭もある。
<夏>
・30℃以上になる日もある。
・クーラーをつけていない家庭もある。
・山都・潤徳小も最近クーラーがついたばかりである。
<秋>
・9月後半になると一気に涼しくなる。
<冬>
・冬の寒さは厳しく、今年は、-7℃になったときもあった。
・先生たちが出勤するとき乗ってくる車は冬用タイヤを使っている。
・大雪はないが、積雪があると、スクールバスが動かなくなる。3日くらいは臨時休校になる。
<全体>
・熊本市より気温が低いことを生かし、有機農業が盛んである。
・宮崎県側を台風が通ることがあっても、九州山地に遮られ、山都町への影響は少ない。
今年度、山都・潤徳小には5年生が在籍していないので、6年生に協力してもらいましたが、どの子もしっかりと発表していてとても立派でした。
いつもだとにぎやかな交流になるのですが、今回は、本校の5年生も、山都・潤徳小の6年生の説明を真剣に聞いて、一生懸命メモをとっていました。
担任から、山都町と日野市の平均気温を比較したグラフの配信を受け、日野市の方が気温が高いことを理解した子供たち。
社会科の授業として大事なのはここからで、南にある山都町の方が気温が低い理由をグループで相談します。
・東京の方が太陽に近いから気温が高い。
・風は西から東に吹くから、最初に風のあたる九州の熊本が寒い。
・山都町は、山がいっぱいあって、太陽の光を遮るから涼しい。
・山都町は、九州山地に守られて、じめっとした日が多いので気温が低いが、東京はからっとした日が多く、暑い。
・東京は都会のせいで、ひたすら暑い。
・山都町は農薬などを農業で使わないので、汚いものが少なく本来の気候のまま。それに比べて東京は汚いものが多く、どんどん気温が上がっている。
子供たちにとって、難問のようです。
5年生D「何で山都町は南にあるのに気温が低いのかなぁ・・・」
校長「きっと、くまモンがいるからじゃない?」
5年生たち「確かに!」
これで納得されても、ちょっと困ります。。。
地図帳で、山都町の標高を確認し、気温と標高の関係について結論を導き出した子供たち。
山都町のおかげで、学習の大事なポイントを理解することができました。
標高約500mのところにある山都・潤徳小。
校長「去年、高尾山遠足に行ったとき、頂上は少し涼しくなかった?」
子供たち「そういえば、そうだったなぁ。」
地図上だけでは分からない、リアルな日本の他の地域の様子について、山都・潤徳小の子たちから学ぶことができました。
日本で、いや、世界で一つだけの授業を創造できるのが、「東西潤徳小学校コラボレーション」。
これからも、様々な授業の可能性を探ってみたいと思います。
ただ、少し気になるのが、「熊本県」ではなく「態本県」と書いている子たちが見られること。
47都道府県については、4年生のときに学習済みです。
パートナーの県名はちゃんと書けるようにしましょう・・・【校長】
(山都・潤徳小の6年生の様子は、こちら)
(2016年4月から2018年3月まで)