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光る君に想いを馳せて・・・
国語では、小学校でも「古文」に関する内容を学習します。
5年生では、「冬の朝」の学習で、枕草子の一節などを学習します。
「冬はつとめて。雪の降りたるは、言ふべきにもあらず、霜のいと白きも、また、さらでもいと寒きに、火など急ぎおこして、炭もて渡るも、いとつきづきし。昼になりて、ぬるくゆるびもていけば、火桶の火も、白き灰がちになりてわろし。」
現代語と違う言葉もありますが、「冬」について、およそ1000年前の感覚と現代の感覚が近いことに理解を深めます。
そこで、現代のICT技術を駆使し、5年生も清少納言の感性に近付けるよう、冬の情景で「をかし」と感じるものを挙げました。(「をかし」・・・よい、美しい、趣がある)
学級で話し合って、「をかし大賞」に選ばれたのが写真の作品です。
ひょっとしたら、1000年後まで語り継がれるかもしれません。(笑)
今年も大河ドラマを「完走」し、平安文学への興味が高まった校長。5年生と雑談します。
校長「『光る君』、終わっちゃったね~。見てた?」
5年生A「私も毎週見てた!ちょっと最終回のエンディングが納得いかないけど・・・。最近、『枕草子』や『源氏物語』の本を図書室で借りてるんだよ。」
3年生は「短歌を楽しもう」の学習に取り組んでいました。
「むしのねも のこりすくなになりにけり よなよなかぜの さむくしなれば」(良寛)
「秋きぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる」(藤原敏行)
「秋風の吹きにし日より音羽山峰のこずゑも色づきにけり」(紀貫之)
「奥山に紅葉踏み分け鳴く鹿の声聞く時ぞ秋は悲しき」(猿丸太夫)
秋にちなんだ4首の短歌から浮かんだ情景を考えます。
意味が分からない言葉もある中、短歌から想像できることを書き留めていきます。ほぼ、「現代語訳」に近いことを書いている子もいました。
3年生ですから、正確な意味を覚えるというより、短歌の31音のリズムに親しむことが大事です。
暗記できるくらい繰り返し音読します。
こうして、昔からの感性を文字で脈々と受け継いでいることが「日本人」としてのアイデンティティを育むことにつながっていると思います。
1000年後、「ふてほど」が語り継がれているのでしょうか・・・?【校長】
(2016年4月から2018年3月まで)