2007年6月の記事一覧
ただいま、ICT活用教育に関する放送番組撮影中
東光寺小学校学校課訪問
正面玄関の前の壁には、子ども達の活動の様子を写した画像ががずらりと並んでいます。
日野市では、昨年度からすべての学校で「ひのっ子エコアクション」に取り組んでいます。本校は、早くから環境を守る省エネ、省資源のための教育に取り組んできました。
★教育の質の向上を目指した校務のICT化
週案簿による時数管理と指導の記録が徹底されていました。校内の先生方全員が、校務支援システムの「時数・週案機能」を活用しています。
計画通りに授業がすすんだかどうか、評価欄もぎっしり入力されています。
校長先生と副校長先生は、すべての先生方の週案簿にコメントを入力されています。
★授業でのICT活用
5時間目の研究授業は第3学年の社会科「わたしたちの東光寺」でした。
日野宮神社の“うなぎ伝説:昔、多摩川で洪水があったとき、うなぎが水を防いで守ってくれた”について、ウナギを食べない地域の人々の思いや願いについて考える授業です。
ICTも活用されていました。
活用の仕方は、教師のICT活用指導力基準表のBー3(教師がわかりやすく説明し、児童の理解を深める)。
洪水の話題が出た時に、プロジェクターで実際の画像を大きく提示し、洪水の被害について、わかりやすく説明していました。
協議会ではICTの活用にかかわる意見や感想も多く出されました。
・授業の冒頭に、課題について児童が調べてきたことを、資料として発表させてもよかったのではないか。
→C-1児童がインターネットで情報を収集したり選択したりする
・・・実際に、その情報をプリントアウトして持ってきた子もいました。
→Cー3児童が調べてきた情報を表現し、わかりやすく発表する
・・・・ノートや紙にまとめたものを拡大する、コンピュータでまとめる(Cー2)
・調べてそれで終わり、という活動が多いが、本当はそこから学び合いが生まれるのではないか。
・・・スタディノートでまとめ、自分なりの考えをお互いに交流し、学び合う活動に発展させる
・昨年度までの児童が調べてまとめた作品も参考になる。
児童の意見をまとめた教師の板書をデジタルカメラで記録し、プリントにしてノートに貼らせていたが、一人ひとりの子ども自身の学習の記録(ポートフォリオ)も大切ではないか。
・・・コンピュータやデジタルカメラで児童の作品、学習状況などを管理(Aー4)
校務の情報化は教育の質を高めること
取材の依頼も兼ねて、校務支援システム活用推進校である潤徳小学校にお邪魔してきました。
昨年11月に導入されたグループウェア機能に続いて、4月に開発し導入された新しい機能(時数・週案機能、成績管理機能、ひのっ子宝箱)も、「とにかく使ってみよう」とフルに活用されています。
校務支援システムの導入で、果たして仕事が便利になっているのか、校務が効率化しているのか・・という問いに対して、
先生方が次のように答えておられたのが印象的でした。
「毎日の出欠調べの入力が、そのまま通知表などに反映されるのはすごいと思う。」
「データ化するより、紙で書いた方が早いと感じることもある。でも、そのデータを処理したり、蓄積したりするなど、後のことを考えれば、便利だと思う。」
(若手の先生)「先輩の先生の週案簿を見て学べるのがいい。通知表の所見も参考になる。」
(ベテランの先生)「自分も若い頃、見せてもらいたかったという経験がある。でも頼むことが難しかった。その点、情報を共有できるのはいいことだ。」
「確かに校務のスピードが高まった。今までのようにのんびりではない。しかし、今まではこれでいいやと思って妥協していたことも、完璧に近づける。いくらでもよくすることができる。・・・だから忙しさは変わらない。効率的になると言うより、むしろ、質が高まると言った方がいいのではないか・・・・教材研究などもいくらでも深めることができる。」
発想の転換(ペーパーレス職員会議から)
市内の学校でペーパーレス職員会議が始まりました。
このことが学校のWebサイトでも紹介されています。
大坂上中学校のキーワードは「慣れが大事」
滝合小学校のキーワードは「環境への負荷軽減、文書管理の負担軽減」
両校とも職員会議にかかる時間は短縮されているようです。
その他にも、「朝会での発言はプリントを配布せず、予め掲示板に掲載されていている内容のもののみ」というルールを作って短時間に終わらせている学校もあります。
「必要な情報を紙で配布せず、保存してある場所で、その情報を取り出して見てもらう」。
しかも、「その情報をその時に見るのではなく、前もって見ておくこと」が徹底されると、これは相当の時間、短縮されることが予想されます。
とは言うものの、これには大変な意識改革が必要です。
今までのやり方を変えることには多くの不安が付いてきます。
・・・・それでも考えているだけでは何も変わりません。
「とにかくやってみる。第一歩を踏み出してみる」
という前向きな発想、決断からすべてが始まっていきます。
推進室は、できるだけ先生方の不安を取り除くことができるようにサポートしていきたいと考えています。
質の高い教育討議
委員会専用のサイトを構築してくださった東原教授。委員の教師としての成長を楽しみにさなっています。
「インタラクティブ・スタディstudy21」の活用実践報告(小学校部会)
ICT活用指導力の基準にそったWebサイト一覧作成(中学校部会)
本委員会を支え、リードしてくださっている心強い所員。大澤先生。委員会の記録はいつでもDVDで見られます。
本開発委員会のメンバーは小学校16名(含管理職2名)、中学校8名(含管理職2名)です。
昨日は、それぞれの部会に分かれて研究を進めました。
小学校部会では、前回出された課題<実際に「study21」を活用した授業を実践してくること>について報告がありました。
算数指導のベテランであっても、一斉指導に慣れた教師が、より効果的な個別指導を行うことは非常に難しいものです。
このことについて、非常に中身の濃い意見交換が行われました。(以下に、その一部を紹介します)
*つまずきの見られる子にとって、難しい教材ではないか。時間内に終わらない子がいる。
→・時間内に一斉に終わらせることが目的か?
・人それぞれ個性があって、みんなが認めるということも学ぶ機会となるのではないか。
・やっていくうちに、子ども達の方が慣れてきて、自分のペースでやればいいことに気づき始めた。
・スピードは気にしなくてもいい。がんばってね、と声をかけてあげることが大切。
・わかるまで、徹底的につきあってくれるのが、この教材の良さ。今までの学習方法では不可能だった。
・周りの人がたとえ全部終わっていたとしても気にしないでとことんやる。必ず「できた!」という達成感につながる。
*つまずきが見られて悩んでいる子どもについて、あくまでも一人でやらせるのか。
→・子ども達の教え合いは、むしろ望ましいのではないか。
・孤立学習ではない。個別学習。友達同士が教え合うことを奨励していこう。
・ゲーム感覚、遊び感覚になってしまわないか。
・コンピュータでの学習が特別なのではなく、普段の学習時のしつけと同じ。
・子ども達は、慣れてくると教え方が上手になる。答えを教えるのではなく、答えにそって発問し始める。
・うまい教え方とは、「いい質問ができること」。
・応答カテゴリー(コンピュータのメッセージ)でほめてもらって自信をつけた子ども達は、自然と友達に教えたくなるようだ。
・このシステムは、人と人との相互作用を深めるシステム。