推進室情報 2007年
心機融合の心
下の写真は、そのアルバムの中の3つのページです。クリックするとはっきり見えます。 掲載にあたっては、許可をいただきました。
「創新の心」 | 「心機融合の心」 | 「敬の心」 |
井上志朗先生が師と仰ぐ関谷義道先生は、岐阜大学教育学部附属中学校の副校長としてご活躍された方です。
書道家でもあり、日展を始め、国内外の展覧会に多くの作品を出品されました。
以下、井上先生が、ご自身のwebサイトでお書きになった関谷先生のご紹介と、ご自身の感想です・・・
「先生は78歳のときに、心のカレンダーを作るため、パワーポイントを覚えられた。さらに、インターネットやメールを 覚えられた。
やりながら、パソコンやインターネットのよさを知り、人間がやらなければならないことと機械がやれることの融合を考えられた。
そして、できた言葉が「心機融合」なのだ。そして、この「心機融合」を附属中の玄関や集会用の 部屋に飾った。
先生は、心と機械がばらばらになっているのが今の時代だ。融合してこそ、インターネットの時代になるのだと諭された。
先生の言われることは、最近なるほどと感心することばかりである。
「創新」と言う言葉は、一番好きだ。創とは、倉に刀と書く。すなわち、倉にたまった古いものを刀で壊すのが、「創」なのだ。
新しいものを生み出したかったら、まず、古いものを壊すことから始めるのだ。こう教えていただき、附属中、那加中、京町小と実践してきた。
実践しながら、先生のおっしゃることは理にかなっていることに気づいた。
発想の転換ができるようになったのも、先生のおかげである。・・・・」
昨日の講演会から
昨日の講演会から
(第?部「校務の情報化~学校が変わる、教員が変わる、子どもが変わる」)
講演会を聞いた先生方の感想・意見<その2>
感想や意見には,次に紹介するように相反するものも見られました。
それぞれの立場,とらえ方について,じっくり考える機会をいただきました。
1.パソコン操作
【考え方A】
「パソコンを使うことで仕事を減らせるんだというお話でしたが、個人的には使いこなすまでに時間がかかっています。」
【考え方B】
・「区部ではもう15年以上も前に、全教員が校務に支障ないようなレベルまで自主研修を重ねました。
日野市はまず、一人ひとりの意識を改善していくことが必要です。」
・「学校の情報が財産として残る形ができつつあります。使いこなせるようにするのが難しいけれども、
今は、研修でみんなが一定の技術をもてるようにすることが必要だと思います。」
2.家庭での仕事,セキュリティ
【考え方A】
・「ひのっこ宝箱を、ぜひ、家からでも入力できるようにしてもらいたいです。」
・「日野市の校務支援システムも、セキュリティ面をクリアした上で自宅からできるといいと思いました。」
・「日野市のセキュリティは高すぎると思います。」
【考え方B】
・「日野市は学校でしか仕事ができず、大変だけれどセキュリティは安全で安心です。
家で仕事ができるというのも便利だけれど、セキュリティは十分とはいえないので心配です。」
・「今の日野市はセキュリティを重視しているので、簡単に外からアクセスできないのは不便ですが
やむを得ないのではないかと思います。家に持ち帰れる仕事はUSB(暗号化)で持ち帰っています。」
★日野市としての立場
日野市の校務支援システムのデータは、センターサーバーで確実に守られています。
外部からは侵入されないよう、物理的な対策をとっていますし、サーバー室も認証方式が取られており、
限られた者以外は入室できません。ですから、現在、学校外からのアクセスはできないようになっています。
日野市は全国の自治体で第三位〈都では一位)のセキュリティの高さを誇っている市です。
今回のコンピュータ導入にあたってのセキュリティ対策については、情報システム課等関連部署とで
長時間検討を重ねてきました。その結果、学校だけに特別に認めてもらったこともいくつかあります。
業務用コンピュータのインターネット一部接続、USBの使用等です。
現状の運用に関して【考え方B】のような堅実な意見が出され、うれしく感じました。
3 環境への負荷とICTの活用
・「学校にくる前に、一般企業を経験しています。どうしてこんなものまでプリントして配布するんだとよく思いますが、
だんだんこれに慣れてきてしまいました。どうすべきでしょうか。意見するのは気が引けますが・・・」
・「せっかく一人1台のパソコンがあるのだから、ペーパーレスにできるところは、やっていきたいと思います。
リユース、リサイクルの用紙を整理するたびに、職員の紙の多さ、分類のマナーの良くない点に悲しくなります。
回覧板に掲示しているのにもかかわらず印刷している例もあります。」
・「発想の転換。ペーパレス会議。日野もみんなで推進しましょう!」
日野市の校務の情報化は始まったばかりです。その前提は、まずはセキュリティ対策をしっかりとることです。
その上に立って、運用方法を考えていくことだと考えています。
校務支援システムの機能については、、どんどん活用していただいている学校からの意見を参考にして、
更に充実できるようにしていきます。
夏季教員研修教育課題全体会
7月後半から夏季ICT活用研修をはじめ、多くの夏季教員研修を実施しています・・・
そのうちの一つである全体研修会が、本日、日野市民会館大ホールで開催されました。
会場には、日野市内の全小・中学校の先生方約600人が集まりました。
夏に開催するこの全教員対象の講演会形式の研修会は、今年で4年目になります。
毎年、日野市が重点において進めている教育課題について、学んでいただいています。
◆第?部
「いま、私たちにできることー専門職としての教師を目指してー」
講師:新潟大学教育研究院人文社会・教育科学系 学系長 生田孝至先生
〈講義を受けた先生方の感想〉
・久しぶりに学生時代に戻ったような講義を伺うことができ、自省するよいチャンスとなった。
・専門的知識を技術について、教師も医者と同じく責任・信頼・知識が大変必要であり大切であることがよくわかった。
・授業状況がみえる・児童がみえる・学級の活力を高めることができるように暗黙知を習得したい。
・授業研究やリフレクションを重ねながら暗黙知を増やしていきたい。2・3年次研で経験したビデオによる振り返りの大切さを再確認した。
・集団リフレクションを通して気づきを共有することの大切さを感じた。熟達者の先生方からいかに暗黙知を受け継ぐかが課題だと思う。
・自分自身の暗黙知を育てるために、いろいろな人の授業を見て意見や感想を伝えていこうと思う。自分の授業も他者に見てもらう機会を作りたい。オン・ゴーイング法を校内研究授業で実践してみたい。
・自分を含め、ベテラン教師が自分たちの学んだことをどんどん教授していき、教師全体の底上げを図る必要がある。
◆第?部
「校務の情報化~学校が変わる、教員が変わる、子どもが変わる」
講師:岐阜市立京町小学校 校長 井上志朗先生
〈講義を受けた先生方の感想〉
・「発想の転換」というキーワードで、時間の使い方、仕事のとらえ方、子ども理解の視点等、ハッとさせられた。
・「よいところを見つけることが教師の仕事」という言葉が心に残った。自分一人では限界を感じていたので、他の先生の価値付けの視点を知れるのはすごいことだと思う。「ひのっ子宝箱」を積極的に使っていきたい。
・現状ではまだそこまでいかないが、無駄を省いたり効率化を図るためにはパソコンは有効だと思うので、上手に活用していきたい。
・いいとこみつけ等、学校での子どもの様子を常時見せてもらっている保護者はうれしいと思う。日野市もパソコンが整備されているから情報を公開しやすくなっていると思う。
・校務の情報化によって、資料を減らし、時間を生み出す、それに教員同士の連携やベテラン教員の活躍の場も作ることができる、ということがわかった。パソコンを使った通知票作成の良さについても説得力があった。
・年配の先生のためにパソコンはある。今までもっている知識(引き出し)を整理するために使うという発想がよかった。パソコンに対する考えが変わった。
・50代を突き進む自分にとって大きな応援をいただいたようなうれしい話だった。熟女パワーのメンバーに入るために、児童理解力を磨き、パソコン操作の技術を高める夏にしたい。
◆第?部
「特別な支援をあたり前の支援に~特別支援教育元年を迎えて」
講師:都立特別支援学校あきる野学園 校長 池田敬史先生
〈講義を受けた先生方の感想〉
・「障害者は神様」という話はとても興味深く楽しく聞くことができた。
・「この子らを世の光に」「きらきら光っている子どもたち・・・」というとらえ方が心に残った。
・やさしい、あたたかい、やわらかい言葉に気を付けること、発達障害児にはビジュアル系が効果的であるなど、大変勉強になった。
・見通しをもたせるように支援を工夫することが気持ちの安定につながることがよくわかった。
・支援を要する子への手立てや学習の工夫などは、すべての教育の原点であることを再認識した。、
・ゆったり、しっとり おだやか、右脳と左脳を考えた掲示等、学校の掲示はまだまだ配慮に欠けていることを思い知らされた。
・講師の先生のお話のされ方、途中でリフレッシュの時間を入れたり、視覚的に楽しめるものを取り入れたり、聞き手が楽しめる工夫があった。自分も特別支援学級の担任なので、子ども達が45分集中して取り組めるよう工夫したい。
苦手意識がなくなりました!
今日は7月27日に続いて
「スキルアップ研修」の2回目でした。(A-3・E-1)
どちらかというと、コンピュータに対して苦手意識をもった先生方のための研修会です。
研修内容は前回と同じですが、受講者の先生は違います。
今日、研修会に向かうコーディネータは、いつもより気合いが入っていました。
実は、前回のスキルアップ研修終了後、4人のメディアコーディネータはある悩みを持ち続けていました。
一生懸命がんばってできるようになった先生が、なぜ、あんな低い自己評価をしたのだろう・・・
支援した側からは、確かな手応えを感じたのに・・・
何が足りなかったのだろう・・・
「今日こそは、ICT活用指導力チェックリストのA-3とEー1は、受講者の先生方全員が3と自己評価していただけるようにする!
そのために、先生方に自信をもっていただけるようにする!」
そう決意して研修に臨んだのでした。(*1:ほとんどできない 2:あまりできない 3:ややできる 4:わりにできる)
今日、その目標は見事に達成されました!
「3」ではなくて「4」と自己評価した先生もいらっしゃいました。
◇受講者の先生方の感想
・「苦手なパソコンでしたが、ていねいに教えてくださってありがたかった。一太郎だけでなくワードの良さを再確認した。
画像の取り込みもできるようになり、児童に見せられることができそうでうれしい。さっそく2学期に使えそう。」
・「苦手だったのでなかなか手が出なかったのですが、画像を保護者会で見せたり、授業で動画を見せたりできそう。
使わないとまた忘れてしまうので是非活用したい。親切に教えていただいてありがたかった。」
・「パソコンと聞いただけであまり触れたくないというイメージがあったが、なくなった。
今日はパワーポイントの使い方が楽しく学べて参考になった。授業で使いたい。
インターネットのサイトもいろいろなサイトがあることがわかり、驚いた。」
・「一番の成果はパソコンに対するアレルギーが今日の研修でずっと少なくなったこと。ずいぶんいろいろなことができて便利だなあという再認識ができた。これからの教育活動に活用していけそう。」
今日の研修が苦手意識をなくすきっかけとなったようで、大変うれしく感じました。
よさがわかれば、どんどん使っていただけることでしょう。
説明は質問で〈Web教材開発〉
2日間にわたって実施された「ひのっ子教育21開発委員会」小学校部会の夏季研修。
今年は、教材開発経験2年目の先生方が、初めての先生方に「Web教材の仕組み,教材の設計,ソフトの操作方法」を教えると言う形で実施しました。
初日の30日は例題を通して学び,31日は自分で作りたい教材の作成に挑みました.
以下、自分で作成した教材の発表会終了後の委員の先生方の感想です。
◆初めての先生方(開発委員1年目)の感想
◇30日には,2年目の先生方が非常に細かく,丁寧に話をしてくださり,少しずつ分かるようになりました。
31日も,途中で分からなくなって混乱していても,個別に教えていただきました。
最初は不安だらけでしたが,2日間の研修を終えた今は,子どもたちが分かった!と思えるような教材に少しでも近づけていきたいな,という思いがわいてきています。
本当にたくさんの先生方に教えていただいたことで,少しずつスタディライターのことが分かってきました。
「説明したかったら質問せよ。」「説明したら分かるということではない。」ということを忘れずに,これからの授業にも生かしていきたいと思います。
◇2日間とはいえ、大変密度の濃い時間勉強させて頂きました。自分の教材を見直してみると、確かに「赤」(説明ばかりの画面のこと)ばっかり。「説明をしたかったら、子どもから引き出さなくてはならない」「説明しすぎない」改めて、基本の気持ちに戻りながらがんばっていこうと思います。
◇2日間の研修で、久々に、はっとしたなと思いました。
スタディライターを使っての教材作成は、すごく児童のことを考えました。
児童のまちがいのこと。何をすれば分かるようになるのか。
つい説明に逃げてしまったけど、本当に児童が分かっているのか確認したり、分かるようにさせたりするのは、質問することなのだと思いました。
でも、作成するのは、本当に難しいです。2日間学んだことをいかして次回を迎えたいです。
◆教材開発2年目の先生方の感想
◇30日の研修:昨年、意味が良く分からないまま作っていた教材の内容を改めて見直すことができた1日でした。
東原教授のお話も、一言一言をなるほどという思いで聞いていました。また、1年目の方の飲み込みの速さもびっくり!でした。
31日の研修:昨年の教材の手直しからと思って始めたら、泥沼にはまり込んでしまいました。一つ自分の考え方が変わると、あれもこれも直したい箇所が出てきて、まだまだ終わりそうもありません。やはり、教材に対する見方や考え方がすごく大切だと感じています。
◇今日みなさんの発表を見させていただき、改めてこのソフトは奥が深いなぁと感じました。
子どもの思考に沿った、一段ずつ階段を上るような教材作りを目指したいと思います。
長野の先生方が、ひとつの教材を子どもに試し、試しては練り直しを3年かけてされている姿に見習い、「説明したかったら質問せよ」の合言葉を忘れず、教材に手直しを加えていきます。
◇1年前は、長野から何人かの先生方がお越しくださっての研修でしたが、今年は日野市で自力でできた研修でした。
2年目の先生方の分かりやすく丁寧な説明は、きっと長野の先生方もびっくりするくらいだと思いました。
1年目の先生方は、熱意がすばらしく、とても私たちが1年目の研修で作成したソフトとは比べ物にならないほどスタディライターのよさや特徴を利用して作成されていました。
2日間の研修の様子
第1日目(1) 2日間の研修のゴールは、スタディライターを使って3ブロック分のコースを作成すること。 「子どもは正しくまちがえるー子どもの間違えを予測してプログラムを組むことー」「わたしがもしコンピュータだったらーコンピュータは教材作成者の命令通りに動くことー」という概念から、教材の設計図作成(フローチャート)、実際の作成(操作)方法まで、2年目の開発委員の先生方が分担して講師を務めました。 | 第1日目(2) 1年間を通して開発委員会のご指導をいただいている東原教授も、適宜、アドバイスを下さいました。 | |||
第2日目(1) 1年目の先生方全員が教材を完成させました。 午後は教材発表会。作成した教材の目標、構造、応答カテゴリー、動作確認、評価変数を一人ひとりが発表しました。 | 第2日目(2) 昨日長野に戻られた東原教授は、スカイプによるテレビ会議で参加。会場の様子をご覧になりながら、一人ひとりの作成した教材にコメントを下さいました。 「説明は質問で」・・・一斉指導に慣れた教師は、説明したことは何でも分かったことにしたがるという傾向にある。説明したことが本当に分かっているのかチェックが必要。子どもが考えるためにはどんな質問が必要なのか・・・ |
教師の成長に、年齢は関係ないことを実感しました。
2年目の開発委員の先生方全員が、昨年度1年間の研修を通して、大きく力を付けられたことに感動しました。
日野市発のよい教材が生まれることを確信しています。