過去の推進室情報 2007年

推進室情報 2007年

都内の区市教育委員会との情報交換

本日、都庁で行われた統括指導主事連絡協議会に出席してきました。
テーマは「新学習指導要領への対応について」です。
東京都教育委員会の考え方や都内の区市教育委員会の取組状況を知れたことは有益でした。

中央教育審議会は、明日、「幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善について」答申します。
教育基本法や教育三法の改正を踏まえ、「生きる力」をはぐくむという学習指導要領の理念を実現するため、その具体的な手立てを確立する観点から学習指導要領が改訂されます。
平成20年は、新しい教育課程を具体化する大切な年になります。
前回の改訂から10年、時代は大きく変わってきました。
すべては未来に生きる子ども達のために、教育行政として力を尽くしていきたいと思っています。

★学校の情報管理の徹底にかかわる取組についても情報交換しました。
日野市に続いて、都内の小・中学校のICT環境も少しずつ整い始めます。
来年度、中学校の教員に一人1台のコンピュータを配備し、その翌年以降、小学校の教員に一人1台のコンピュータを配備する計画を立てている教育委員会が数地区ありました。
これからICT機器の導入を検討し始める教育委員会に、ICT機器の導入と同時にセキュリティ対策も確立しておく必要があることをアドバイスさせていただきました。
日野市はこれまで、全国の先進地区から多くを学ばせていただきました。
今度は日野市が、成果を東京都内で還元すること、他地区に助言できるところは助言し、広めていくことも大切な役割であると考えています。

今日は長野市で学んでいます(MC研修)

推進室のメンバーは、今、全員長野にいます。
2年目になる日野市のメディアコーディネータ制度は、長野市の制度を参考にさせていただききました。
長野市のメディアコーディネータ制度は7年の実績があります。
今日は、長野市教育委員会の取りはからいで、長野市、日野市双方のメディアコーディネータが顔を合わせ、メディアコーディネータの授業支援のポイント等の情報交換を行いました。


長野市のメディアコーディネータ関係者の
皆さん。
会場は長野市教育センターをお借りしました。

情報交換後、日野市のメディアコーディネータで研修会を行いました。
信州大学の東原教授も講師として駆けつけてくださいました。

以下、メディアコーディネータが、今日の研修会で学んだことの感想です。

◆今回の研修で,行政のサポートや理解があることがいかに重要であるかを感じました。
長野市と日野市、メディアコーディネータという同じ仕事のはずが、環境が変わってくると仕事内容や困難を感じる点が違ってくると感じました。共通していることは,情報の共有と,アドバイスを受け入れる姿勢が必要であることです。
学校に行っている際には、一人で訪問していますが、自分一人で仕事を行っているのではなく、チームとして先生のためになることを実現するために、仕事をしていると意識する必要があると考えます。(O)

◆長野市のメディアコーディネータの方々が、先生に支援を依頼された授業を成功させようと動くだけではなく、先生のニーズを的確に把握し、授業改善、ひいては先生の自立のために動いている姿勢が大変勉強になりました。これは、自分もそうありたいと思っていたことでもあります。
また、報告・相談・連絡を徹底して、チームとして動いている姿勢も参考になりました。改めて、今後も自分の特徴を生かして頑張りたいと思いました。(K)

◆今日、初めて他の地域で同じ仕事をしている方々と交流をさせていただきました。
一番感動したことは、年齢や場所は違えど先生方を一生懸命支援しようとする気持ちや考え方が共通していたことでした。
長野市のメディアコーディネータリーダーが、「教師が主役になる授業を通して、子どもが主役になる授業」を目指していると話して下さいました。これは日野市でも「すべてはひのっ子のために」と同じだなと、結局は私たちの仕事は子どもに還元されるのかなと思いうれしくなりました。
また、他のメディアコーディネータさんも、「ICTを先生に近づけるのではなく、先生にICTを近づけるという意識をもって臨んでいる」という取組む意識のお話をして下さいました。PC等の技術支援も大事ですが、どのように支援することが、本当に先生方のためなのかを改めて考えさせられました。
今回、長野市のメディアコーディネータの方々がどんな思いで仕事をしているかを知ることができて、勉強になりました。今後の授業支援等に是非生かしていきたいと思います。(N)

◆私たちはこれまで、先生方の授業支援において、ICT機器を授業で活用するにはどうしたらよいかを一緒に考えさせていただいてきました。
今日の長野市のメディアコーディネータの方々のお話を聞いて、さらに、「授業改善」という活動理念を念頭に置いて、支援していく必要性を実感しました。今後も、先生方一人一人のニーズに答えながら、それぞれの授業の支援に励みたいと思います。(S)

同行した推進室の職員の感想です。
◆長野市の方も日野市をうらやましいとおっしゃっていましたが、行政としての推進体制を整えた部分は少なくとも恵まれていると思いました。
職員もMCも、市教委の看板を背負って活動できることは大きいです。
ただそういう中でも、ICT活用推進のため、ひいては学力向上のためと理念を持って活動している長野市MCは素晴らしいと思います。
機会があれば、予算や機器管理等、環境面でのお話を伺いたいです。(U)

輝かしい未来に・・・

市民会館大ホールで成人式が開催されました。会場は新成人の熱気であふれていました。


★市長の式辞の後は田口直教育委員長の祝辞です。

以下、田口教育委員長の祝辞の一部です。

新しく成人の仲間入りをなさった皆さん、本日は、おめでとうございます。
今日、皆さんの成人式を一番祝って下さっているのは、皆さんのお家の方、特に、皆さんに命を与えてくださり、ここまで育ててくださったご両親かと思います。
 
『親』という字は、「立」と「木」と「見る」という字が重なってできています。
1.自分の立てた木が育つのを楽しみに見る・・・つまり、自分の産んだ子どもの成長を楽しみに見守る。
2.木の上に立って見ている・・・つまり、大所高所から広く見て子育てする。これで良いのか反省もし、鍛えることも施す。
3.これが真の意味なのだそうですが、木で作られた札、つまり位牌(親の形見)を見る・・・子が親の後姿、生き方を見て、学ぶ。
 
今日は、皆さんの成長を楽しみながらも、いろいろなご苦労をなさってきたご両親に感謝していただく日、と考えています。
今日からは、皆さん自身が、ご自分自身を責任もって育てていかなければならないと思います。

1.自分の立てた木・目標に向かって努力すること。
2.自分のやっていることが、大所高所から見て本当に良いものなのか、反省しながら進むこと。
3.そして、自分が親から受け継いだものや、いわゆる伝統というものを意識しながら、自分も歴史に参加している、歴史を作っているのだ、という気概を持って、明るく前向きにこれからを生きて欲しいと願っています。未来はあなた達なのです。

成人式を、家庭、地域、社会の中でのご自分の立場、役割をあらためて考える、チャンスにして下さることを期待しています。

★これからの未来の社会を築き、これからの地球を持続させていく、頼もしい2000人を超える新成人が誕生しました。
輝かしい未来になることを願っています。

庁内もペーパーレス会議

「みどりの大地 青い地球を いつまでも ーふだん着でCO2を減らそうー」

  市長が示した今年のキャッチフレーズです。
最近では環境問題、地球の温暖化について掲載された新聞記事や報道番組が増えています。
日野市は「環境にやさしいまち」として、ISO14001への取組など、市をあげて温暖化防止に取り組んできているところです。
今月の目標は「レジ袋を1枚ももらわない月間」となっています。
市役所の職員も自ら、身近なところからCO2削減に取り組んでいます。
←エレベータ内に貼られているミニポスター  

一方、日野市では、庁内で開催する会議も、コンピュータを持ち寄ってペーパーレス化を図っています。
膨大な資料のある庁議も、その一つです。
先月末に行われた、教育部での庁議報告会(部課長会)も、ペーパーレス会議で行いました。



部課長会を進行する栗原教育部長



19このファイルの資料がありました。印刷すると膨大なペーパー量です。

学校も、データを共有してペーパーレス会議を取り組む学校が少しずつ増えてきています。

ICT活用教育モデル校の研究発表会

今月末から来月にかけてICT活用教育モデル校の研究発表会が開催されます。
日野第三小学校、日野第三中学校、平山中学校の3校の研究主任の先生方に、今回の研究発表会の見どころを伺いました。
この記事は、ICT活用NEWS26号「直前インタビュー」(1月11日発行)に掲載した内容です。

日野市のICT活用教育モデル校の発表会に、多くの方に集まっていただきたいと考えています。
なお、参加される方は、事前に各学校へご連絡いただければ幸いです。

★日野第三小学校  2月1日(金)「国語科におけるICTの活用」

↑研究主任の井出先生
研究会の詳細は日野第三小学校のWebページをご覧下さい。(下をクリック)
午後1時より、日野市のICT活用教育についてや当日の授業についてのオリエンテーションも行います。
http://www.e-hino3.hino-tky.ed.jp/modules/wordpress1/index.php?p=265
「ICTを活用してみるところからスタートし、ICT活用指導力チェックリストをもとにしながら、国語ではICTがどういうところで必要か、どういうところで活かしていくか、どういうところで使っていくか検討を重ねてきました。活用のための活用ではなく「効果的な活用」を目指しています。子ども達の国語力が実際に上がっているのかを検証し、指導案の内容を検討してきました。
ICTのためのICTではなく、国語科での活用。これが1点目のアピールポイントです。
また、基本的に機械がつかえなかった、キャビネットを開くことがなかった教員が、今回の研究発表会に向けて、教員同士でICTの活用方法について情報を交換してきたおかげで、教員のICTの活用能力が向上してきたと感じています。これが2点目のアピールポイントです。」

 ★日野第三中学校 1月31日(木)「校務支援システムの活用実践」

↑研究主任の山田先生
研究会の詳細は日野第三中学校のWebページをご覧下さい。(下をクリック)
午後1時より、日野市のICT活用教育についてや当日の授業についてのオリエンテーションも行います。
http://www.j-hino3.hino-tky.ed.jp/modules/wfdownloads/singlefile.php?lid=9
「研究とは何かを発見することですが、今回の第三中学校の研究発表では、これまでの実践の報告をさせていただきます。
研究を推進するにあたっては、4つの仮説を設定し、仮説の検証を行いました。
第三中学校の特徴は、第三中学校職員一丸となって、校務支援の活用に取り組んできたことです。組織的に動いた結果、教職員一人ひとりのICT活用能力が向上しました。文部科学省のチェックリストの項目ではBとEの項目が全体的に伸びているという結果が出ています。また校務支援を活用することによって、教職員が授業でICTを活用する機会も増えました。
仮説の検証を通して分かったこと、どのような効果があったかということについて、研究会で発表させていただきます。」

★平山中学校 1月29日(火)「 ICTを活用した魅力ある授業をめざして」

↑研究主任の後藤先生
研究会の詳細は平山中学校のWebページをご覧下さい。(下をクリック)
http://www.j-hirayama.hino-tky.ed.jp/modules/wfdownloads/viewcat.php?cid=6「平山中学校では、全教科・全学年がICTを使った授業を行うところが見どころです。
来られる方もどんなICT機器を使うのか、どういうところで使うのか、そんなところを期待して来られると思います。
日野市で導入していただいたe-黒板や、書画カメラ等の使い方や、ICTを使った授業でどのような効果があったのかを、是非見にきて欲しいと思います。
平山中学校では全ての教員がパソコンのスキルが堪能というわけではありませんでした。しかし、とにかく使ってみる。そこから見えてくることも多くありました。
明確になった課題としては、画面の大きさの問題で後ろの生徒には見にくくなってしまうとか、天気の良い日は外の光とのコントラストで、画面が見えにくくなってしまうということが出てきました。研究発表を通して、機器の使い勝手、良さや反省点などを共有し、これからの授業に生かしていければよいと考えています。」


学校のICT化を支える中核の先生・・・教務主任

3学期に入って、各学校では次年度の教育課程の検討に入ります。
教育課程とは、学校教育の目的や目標を達成するために、教育内容を児童・生徒の心身の発達に応じて、授業時数との関連において総合的に組織した学校の教育計画のことです。
平成20年度の教育課程届は、3月に教育委員会で受理します。
届出の内容は、教育目標と基本方針、指導の重点、学年別授業日数及び授業時数の配当、学校行事 です。

この時期、学校の中核である教務主任の先生は、教育課程編成に向けて忙しくなります。
本日実施した教務主任研修会では、具体的な実務の説明、実習を行いました。

まず、研修会の最初に、潤徳小学校の有賀副校長先生から、校務支援システムでの通知表作成についてお話いただきました。
各学年の通知表のサンプルも提供していただきました。次年度に向けて、小学校の観点別評価の基準が大変参考になります。

  

次に、3月の教育課程届提出に向けて、その様式を校務支援システムで作成する手順を確認しました。
学年別授業日数及び授業時数の配当、学校行事については、日野市では、校務支援システムで作成します。
これらの学校としての基本情報は、一度入力しておくと、今後学校で独自に作成する様々な計画表や書類にも反映することができ、大変効率的です。
  

研修会の最後に、情報交換として、校務の情報化の推進役としての苦労や悩み、そしてうまく運用していくための秘訣等を話していただき、全員で共有しました。
「不安は多いが、とにかくやってみなければ進まないという前向きな雰囲気をつくること。」
「自分一人で抱え込まずに、一緒に広めていけるブレーンを育てること。」
「職員室で学び合える環境を整えること。」
「うまくいかなくて当然、一度大変なことは必ず起こる。それを覚悟すること。その後は必ずよくなっていく。」
「最初は抵抗はあっても良さ、便利さがわかるとどんどん日常的になっていく。」 ・・・・・・・・・・
がんばって推進してくださった教務主任の先生の重みのある言葉が印象的でした。

日野市では、校務の情報化を図ることで、校務をより効率的に、そしてより質が向上することを目指していきます。
そのためには、各学校が組織的に取り組んでいくことが条件になります。
推進室は、今後も、各学校の校務の情報化の推進役としてがんばっている教務主任の先生方を支えていきたいと思います。

第4回 学校教育基本構想検討委員会

  

第4回 学校教育基本構想検討委員会が午後6時より開催されました。

今回検討したテーマは、大きく3つでした。
・「子どもの安全確保」
・「信頼される学校経営と教職員の育成」
・「教育を展開する学校施設の整備」

 意見交換の中で、次のような意見が出されました。その一部を紹介します。
・スクールガード・ボランティアの人数を増やすなど、子どもを見守るためにはもっと地域のコミュニティを活性化させることが必要。
・情報安全教育講演会など、保護者向けのいい講演会があるのに保護者の参加が少ない。もっと働きかけが必要。
・学校はそれぞれに特色をもってやっている。もっとPRするように広報活動も必要。
・多忙な教員対策が必要。
・部活動、作文、書道、絵画など、子どもにとって表彰される機会を得ることは励みになる。教員対象の表彰は東京都で実施している。
 日野市でも必要ではないか。

田口参事 年頭挨拶

本日は中学校校長連絡会がありました。
この会は、教育委員会が開催する毎月の定例校長会とは別に、毎月、校長先生方が教育課題の検討や情報交換をしている会です。
この会で、田口康之参事の年頭挨拶をしました。今月半ばには小学校校長連絡会がありますので、そこでも行います。


★田口康之参事年頭挨拶

 都立学校では情報教育に絡めて、フロッピーやUSBに関してのルール作りが行われました。室課長会でも、今後すべての区市でコンピュータを活用して欲しい、配備して欲しいということが伝えられました。教育の流れが、もうICT機器を活用していく流れの方向に来ています。 

 さて、先日の校長会では、市長からは「環境教育」について、教育長からは「子どもの人口増加」、「学校教育基本構想」、「ICT活用教育の定着と推進」、「特別支援教育の充実」、「統合校」、「コミュニティスクール」、というような大きな課題と、明るく元気でいて欲しい、PTAとの連携を強化して欲しい、授業改善して欲しいというお願いがあったかと思います。
 年末と年始に、教育長と、日野の課題は何か、今後日野市をどうしていくか、といったことを話し合ってきました。今後、子どもが増加するほど特別支援を要する子どもも多くなるでしょうし、保護者対応等も増え、教員の校務が多忙になることが予想されます。現在も保護者の電話対応に毎日かなり多くの時間を割いている学校もあるのが現状です。それでも、明るく元気に夢のある学校を創っていただきたいというのが教育長の思いです。
 そのためには、校長先生や副校長先生のリーダーシップは、トップダウンのものだけではなくて、ものごとを実行するための幅のもちよう、いわゆる柔軟性が必要で、それを遺憾なく発揮して欲しいと思います。ある一定のお願いごとを達成するための手段や方策は、それぞれの校長先生のやり方があるのではないでしょうか。副校長先生も、校長先生の言うことをただ受けて教員や子どもに伝えるだけではなく、それをしっかり消化して、タイムスケジュールを立て、自分自身のスタンスでやっていだきたいと思います。それが日野市のやり方ではないかと考えています。教育委員会からの話を受けて、それを校内にどう位置づけていくか、校長先生流のスタンスで信念をもってやっていただければ、と教育長と話していたところです。

 今年は多難な年を迎えました。市の財政が厳しくなり、いろいろな経費が削減されてきています。現在、各課長がこれははずせないという事業について予算復活要求を出しているところです。
 学習指導要領も変わります。これらの流れの中で、校長先生の考え方やリーダーシップのとり方で大きく影響がでるかと思いますので、芯を通して動いていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
 以上、教育長の年頭所感を踏まえて、お話しさせていただきました。

  

子ども達が輝く年に

3学期がスタートしました。


朝日の中を登校してくる子ども達。
始業式の今日は日野市の挨拶運動の日。
「おはよう」元気の良い挨拶が冬の空に
響きます。(平山中学校にて)
新春第1号のICT活用の校内研修会。子ども達が輝くように、明日からの授業に備えて先生方が学んでいます。
メディアコーディネータにとって、本年の初支援です。(大坂上中学校にて)




夕日の中、学校の校庭と同じく、市役所前の中央公園も、元気に遊ぶ子ども達の歓声が響きます。

平成20年
子ども達一人一人が輝く年になりますように・・・

加島教育長 年頭挨拶


昨日の校長会での加島俊雄教育長の年頭挨拶です。

 あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いします。
 高幡不動の参拝者は例年の3割増しであったと聞いています。皆様方も穏やかで良いお正月をお迎えいただいたことと思います。
 本年は、教育基本法をはじめとして教育三法がいよいよ施行される年です。新しい学習指導要領がまとまる年でもあります。皆様方はもうお読みになったと思いますが、新学習指導要領は、基礎的な知識・技能の確実な定着を土台にしながら、それを活用する学習活動を充実すること、言い換えれば思考力や判断力・表現力等の育成に重点をおくというのが骨子であると思っています。
 また、都の関係では、昨年度実施に至らなかった統括校長制度、主任教諭の準備がいよいよ始まる年でもあります。

 そうした中で、日野市の教育の本年の重点課題ですが、いくつかあげられます。
 1番目は子ども人口がここで伸びることです。その受け入れ対策を早急にまとめていくことが必要です。しかし、この子ども人口の増加も一時的なもので、その後は減少していくとのことです。そうした過渡期をどう乗り越えていくかということが課題です。一時的に規模の大きな学校ができてくるかもしれません。また、選べる学校制度の若干の修正が必要かもしれません。これまでは耐震補強に相当財政負担を投入してきましたが、増加する子ども対策についても、相当な財政負担が伴いますので、市長部局ともよく相談しながらまとめていく必要があると思っています。
 2番目は学校教育基本構想の策定です。現在急ピッチで検討が進んでいます。日野市の学校教育の方向性を市民に明らかにして、これを契機にして、教育委員会と市民とがもう少し近づくことを考えています。基本構想日野いいプラン2010というものがあり、いよいよこれが2020プランに向けての改訂作業に入りますが、学校基本構想を反映させていきたいと考えています。目標や理念は共通しないとなかなかうそれがうまく実現しないのが現実ですから、この学校基本構想を学校教育の基本にしていきたいと考えています。
 3番目にICT活用教育の定着と充実です。この3月までで2年間にわたる整備が完了し、今後は新学習指導要領と同じく、活用の年に入っていきます。その活用のしかたには3つあると考えています。授業、校務、学校広報です。まず授業においては、個々の授業改善も必要ですが、理科の実験であるとか、郷土学習、環境学習など、全校で共有してできることもあるのではないかと思います。ICTを活用して、この学校ではこういう学習が行われたというような成果を集約し、共有できるのではないかと思います。2つ目は、校務の効率化ということです。3つ目は学校の広報です。学校Webサイトで充実して欲しいと思っています。現在、日野市はかなり先進をきっていると考えていますが、この3点で、基礎整備から活用の年へとしていきたいと思います。日野市の教員は、ICTについては必修科目であるというような考え方で進めていただきたいと思います。
 4番目は特別支援教育の充実です。特別支援教育推進計画にそって進めて行きたいと思っています。特に、特別支援教育については教員の理解が進んでいるとは言えず、どのように指導したらいいのか、教員にその指導方法の理解を進めていただきたいと思っています。特別支援教育は教育の原点とも言われているわけですから、そうした子ども達への理解というものは一般的にも役に立っていくと思っています。来年度は、日野第三小学校に通級学級を設置し、南平小学校への「つくし学級」の移転を進めたいと考えています。
 個別の課題としては、七生緑小学校がいよいよ誕生し、百草台小学校の校舎を暫定的に使用します。学校数が一つ減って新しい学校ができることになります。もう一つは、平山小学校の新校舎が竣工し、記念式典が行われます。同時にコミュニティスクールの検討もしていきます。日野第一中学校の改築も着手されます。

 こうした重点課題がありますが、校長先生にいくつかお願いしたいことがあります。
 基本的なことではありますが、一つはリーダとして明るく元気であって欲しいということです。これは、年頭において市長からも強調されたことです。リーダーとして一般的にもそうではありますが、特に教育のリーダとしては、教育は明日を語るものであることを考えると、明日を次の世代に託すわけですから、そのリーダーは一番明るくあって欲しいと思います。田口教育委員長は、このことについて、よく「S・M・A・P」とお話しされます。Sense(感覚)Mission(使命)Passion(情熱) Action(行動)ということです。
 次に教育広報紙「ひのっ子教育」の9月号に投稿された原稿に、日野市の学校は、家庭・地域との連携を目指した教育を行っていること、教育のキーワードは、学校・家庭・地域との信頼関係のつながりであると書かれています。ぜひ、PTAや地域との信頼関係を作ってください。現実的に考えても、自立していない子どもを育てるのは保護者と学校ですから、その育てる同士が連携しなければうまく育ちませんので、小学校・中学校ではこの連携を深めてください。このことについては、学校だよりの中に「学びのある学校・くつろぎのある家庭・ふれあいのある地域」というように繰り返し示している学校もありますので、このあたりの認識は十分であると思っています。ただ、今は保護者との関係や地域との関係でいろいろ難しい問題も出てきていますので、校長先生方はその解決にかなりの時間を割いていらっしゃることもあると思っています。PTAとの常日頃からの信頼関係をつくって、問題が発生したときの力になってもらえるようにしてください。また、ぜひご自分の学校の特色を語る言葉をもち、学校Webサイトで学校の考えを発信してください。日野市の学校はすばらしいことをたくさん取り組んでいます。前回の学校基本構想プロジェクトチームで、日野市の学校教育の特色は12項目あると揚げていました。さらに、市内のある校長先生が「多摩川を渡ると空が広くなる」というようなことをお書きになっていました。これは日野市内にいて空が広いのは当たり前ですが、外から来るとその特色がはっきりわかります。川端康成の「雪国」と同じです。というわけで、学校の特色を是非まとめて示して欲しいと思います。学校だよりの中で「さわやかな挨拶・真剣な授業・落ち着いた生活・響く歌声・美しい自然」としっかりキャッチフレーズを出している学校もあります。学校Webサイトも大いに活用してください。
 3つめに、授業研究の活発な学校として欲しいと思います。実践研究の日野としての特色を出してください。これは学校本来の機能でもあります。ある学校の研究発表会で講師の先生が「研究授業は特別な日で、それが終わったら普段の授業に戻ってしまうことがある」と聞きましたが、そうではなくて普段から研究授業であって欲しいと思います。

 最後に、昨年も校長選考、学校管理職、主幹選考にそれぞれ何人かずつ合格者を出しましたが、校長会として、学校教育のリーダーを育ててください。次のリーダーを出すことは、そこの教育界を充実させることにつながります。どんどんリーダーを輩出していくことが大事であると思っています。
 今年は平成20年。平成生まれの人が20歳になる年です。改めて月日の流れの速さを感じます。是非先生方ご本人が本年も良い年になりますよう、引き続きご努力をいただきたいと思います。