推進室情報 2007年
師走の雨あがり
昼過ぎになってほんのり太陽が顔を出し、濡れた落ち葉をあたためていました。
廊下もセキュリティチェック
学校側の案内で校舎内のあらゆるところをチェックして各学校の現在の情報セキュリティにおける運用状況を確認し、現場指導を行いました。
現在、専門家にその結果をまとめていただいています。
職員室やコンピュータ室でのチェック
昇降口から廊下までチェック
学校だけでなく、市役所庁内も同じです。
情報セキュリティの内部監査を受けています。
会議室への通路になっている推進室の前の廊下には、交換便の棚が置かれていました。
交換便とは、学校と市役所との紙文書の郵便みたいなものです。
(・・・今後はペーパーレス化により、やりとりする文書は少なくなってくると思いますが・・・)
その交換便の棚は、セキュリティ上、場所が移されました。
何もなくなった推進室前の廊下。 | 部屋の中へ大移動。 |
学校でも置き場所を変更した方がよいと思われるものがいくつか指摘されています・・・
晩秋の紅葉が輝く中での音楽会
今日から師走ですが、昼間は、柔らかな日ざしの中、暖かさを感じます。
◆今日は、市民会館大ホールで第14回日野市公立小学校交流音楽会が開催されています。
午前と午後に分かれて小学校18校全校が参加しています。
多くの保護者の方が聴いてくださっています。
◆音楽会が行われている市民会館前の広場は、晩秋の紅葉が輝いています。
ここでは、来週の木曜日からイルミネーションイベントが行われます。
市民の方々が作製したイルミネーションが展示されることになっています。
いよいよ冬が近づいています・・・
◆音楽会の終盤は、統合でこれが最後の参加となった三沢台小、百草台小と続き、素敵な歌声を聴かせてくれました。
↑百草台小の歌声(関係者に特別に許可を得て撮影させていただきました)
小・中連携教育研究発表会
◆小・中連携教育の研究発表会(国立教育政策研究所 小・中連携教育実践研究協力校)が大坂上中学校で開催されました。
大坂上中学校、日野第三小学校、日野第七小学校、東光寺小学校の4校は、日野市教育委員会研究課題校、国立教育政策研究所
小・中連携教育実践研究協力校、東京都教育委員会小・中連携教育実践研究指定校を受け、次のように、2年間研究に取り組んで
きました。
◇「中学校変身プログラム」という位置づけで、平成17年度から「高尾の森わくわくビレッジ」で毎年実施している中学入学オリエンテーション合宿に、3校の小学校の先生方が参加しています。
◇まなび部会(各教科)、こころ部会(生活指導)、からだ部会(食育・体育)に分かれ、教材研究や授業研究に取り組んできました。
◇各教科(英語・英語活動も含む)、生活指導、食育において、9年間を見通した系統的な指導計画を作成しました。
研究は定期的に集まって会を設ける他に、日常的には校務支援システムの掲示板(4校のみの連携掲示板を作りました)がフルに活用されました。親情報だけで200件以上もの連絡が流され、情報交換・意見交換も行われました。
◆会場の大坂上中学校に3校の児童も集まって、18の会場で公開授業が行われました。
参加者が多くて入りきれない数学の授業会場の様子は、スカイプによるテレビ会議で、発表会場の食堂にライブ中継されました。
発表会場でライブ中継されている数学の授業風景。 | 教室窓側のコンピュータのWebカメラで映像を送っています。 |
以下の画像は、ICTを活用した公開授業風景です。
小国語・第6学年「やまなし」 ICT活用指導力B-3 自分の ワークシートを拡大して見せながら、 読み取ったイメージを発表しています。 | 中社会・第1学年「いろいろな地域に分けて県を調べよう」 ICT活用指導力B-2 画像や統計資料を提示しながら、郊外の特色を読み取らせています。 |
中音楽・第2学年「日本の伝統音楽を深めよう」 ICT活用指導力B-3映像と音楽により、雅楽への理解を深めています。 |
中理科第1学年「力」
・演示実験を大きく映し出しています。 ICT活用指導力B-1・2
・生徒が発表した考えを図を使ってまとめています。 ICT活用指導力B-4
小英語活動第5学年・中英語第2学年「Let’s go shopping!」
ICT活用指導力B-1
AETの先生の国を、画像や地図で紹介しています。
体育の公開授業は、隣接する都立日野台高校の体育館が会場でした。
中体育第1学年「器械運動(マット運動)」
ICT活用指導力C-1・4 スポーツミラー(映像遅延装置)により、
生徒一人一人が自分のフォームを確認しています。
◆ちょうど本日は、大坂上中学校にとって3週間のICT導入活用週間最終日です。
本校に専属で派遣したメディアコーディネータに加え、2名のメディアコーディネータもお手伝いで参加しました。
副校長先生に作っていただいた腕章をつけて、サポートしていました。
◆公開授業のあとは、部会別に4つの発表会場に分かれて発表が行われました。
まなび部会の「算数・数学、理科分科会」は、食堂で行われました。
2年間の研究の全体の取組や分科会での取組についてプレゼンテーションを行いました。 | 食堂には多くの方が集まり、発表を熱心に聞いてくださいました。 |
本研究を通して、小・中両方の先生方は、お互いの良いところから多くのことを学ばれました。
小学校の先生方は、教科の専門である中学校の先生と一緒に教材研究をしたり授業を見合ったりしたことで、教科の内容への理解が
深まったということです。理科は安心して指導できるようになったということです。また、自分達の教えた子ども達が、進学してどのような
学習を受けるのかを知り、小学校段階でつまずきを出さないよう、より努力を重ねるようになったということです。
中学校の先生方は、小学校の授業から多くのヒントを得たということです。
発表会で話された大坂上中学校の先生の次の言葉が印象的でした。
*数学の先生:「1時間の授業を工夫するようになりました。ていねいに説明するようになりました。たとえ5秒だけの提示であっても、
それに2時間かけて作ることもあります。それを苦労とも感じません。」
*理科の先生:「小学校ではどんなことを学んできたんだろうと前もってよく調べています。今日の授業でも小学校で学んだ実験道具
(空気でっぽう、電磁石)を導入で使いました。理科を楽しく学習できるように工夫するように努めています。」
互いのよさを謙虚に学び合い、授業に工夫を重ねてこられた先生方です。
本日の公開授業では、特に「中学校の授業が変わった」ことを実感しました。
今まで多くの授業は、教師のトークとチョークのみでした。それが、生徒をひきつける授業、わかりやすい授業、先生と生徒・そして生徒
同士のコミュニケーションのある授業へと変わったことを実感しました。
◆発表会の後は、体育館で講演会がありました。
講師は東京学芸大学教授の児島邦宏先生。小・中接続・連携教育の課題と具体的方策についてお話しいただきました。
講演の中で、本日の中学校の先生の 公開授業が、きめ細やかであったことを 評価してくださいました。 | 約400人の参観者でした。北海道、九州からもお見えになったようです。 |
親として社会の常識や知識を子どもに伝えること
会場には、保護者の方の中に、小学校の校長先生やICTモデル校の中学校の校長先生と研究主任の先生のお姿もありました。
外はすっかり冷え込んでいます。 | 教育部生涯学習担当の高田参事挨拶。 |
市P教の浜屋会長挨拶。 |
◆講師の堀田龍也先生に、保護者の方の声を聞いていただいた後、講演していただきました。
◇小学生の保護者の方
子どもに携帯電話が欲しいか尋ねたら、「まだいらないよ」と答えました。パソコンを欲しいか尋ねたら「欲しい」と答えました。
これから成長していく上で避けては通れないメディアというものを最初にどう教えていったら良いのかを教えて欲しいと思います。
また、携帯電話においてフィルタリングにはどのようなサービスがあるのか、保護者向けのサービス等はあるのか知りたいと思います。
◇中学生の保護者の方
自分の息子は携帯電話を持っています。さらに家ではインターネットを使っています。事件も話題になっていますが、将来的には
情報社会の中で生きていくのですから、現状を分かった上で、どんなふうに生きていけばいいのかアドバイスをください。
◇高校生の保護者の方
高校生ともなりますと、ほぼ100%携帯電話を持っているのが現状です。家に帰ればインターネットがあります。
小学校、中学校で子どもたちは学校でそういった勉強をしてきています。ある意味、そういう授業を受けていない私たち親より
携帯電話の使い方を知っています。私たち親もどうやっていって活用していけばいいのか教えていただきたいと思います。
ICTの光と影、その「光」の部分で、ICTを活用した授業の効果についても触れていただきました。ちょうど今、各学校で重点的に取り組んでいることです。また、日野市の学校Webサイトもほめていただきました。「学校の日々の取組が発信されることはすばらしいことです。」
◆保護者の方の感想より
◇常識をもっている大人が子どもたちに教えることはたくさんある・・・との言葉になるほどと思いました。
このようなわかりやすくとても興味ある講演会に、もっともっと多くの方に参加して聞いてもらいたいと思いました。
あっという間に時間が過ぎました。
◇いろいろと便利になりましたが、やはり大人がきちんとした常識を子どもに伝えていかなければいけないと思いました。
これは本当に人間の基本のところだと思いました。
◇ネットトラブルで、子どもが相談するのは7割が親であることを聞き、ほっとしました。
しかし、出会い系サイトの被害者の8割近くが18歳以下の子どもであるという事実にぞっとしました。
フィルタリングの機能は必要ですが、それ以上に「親の目」が大切です。
我が家ではネットをやっていませんし、携帯も持たせていませんが、今後持たせる際に、じっくりと使用のルールを話し合おうと思います。
自分自身もネット犯罪の知識をたくさん学ぼうと思います。
◇知識と常識を教えることによって、危険を回避する力をつけることができることを学びました。
メディア社会を受け入れることを前提に、よりよくつきあう方法を考えるという考え方に感銘を受けました。
◇ステキなお話でした。ICT活用の大切さがわかりました。
これからも親として、社会の常識や知識をきちんと子どもに伝えていきたいと思いました。
◆本日の講演会資料を、講師の堀田先生より提供していただきました。
明日は多くの方の参加をお待ちしています(情報安全教育講演会)
晩秋の中央公園 | 落ち葉のじゅうたん |
市役所前(市民会館前)の中央公園は最後の紅葉がみごとです。
明日は、ここ市民会館で情報安全教育の講演会が開催されます。
多くの方が参加されることを願っています。
情報安全教育の講演会については、推進室の本サイトで11月6日、11月16日に掲載しております。
日野市オフィシャルサイトでもご案内しています。
また、先日、市内の学校で配られた教育広報紙「ひのっ子きょういく」でも紹介しています。
日野市の情報セキュリティを守るために
本日は「情報セキュリティ管理職・セキュリティリーダー研修」が行われました。
情報漏洩事件・事故最新統計より | 最近起こっている事故の概要 |
個人情報保護に関する演習問題 | 情報管理者としてのポイント |
「情報漏洩事故では、最近は教育関係が増えています。」という講師の先生の言葉が気になりました。
日野市の学校ではこのような事故が発生しないように、引き続き、日野市立学校情報セキュリティポリシーを遵守し、個人情報の取扱を徹底したいと考えています。
(都教委人事部によると、東京都で、今年度10月1日現在、個人情報にかかわる服務事故の発生率が発生総数の15.2%で、2年前の2倍になっており、うち、USBメモリ紛失等の服務事故も10件発生しているとのことです。)
◆日野市では、研修の他に、内部監査も受けています。
これは、日野市情報セキュリティポリシーにおいて、情報セキュリティ対策の遵守状況を検証することが定められているからです。
ちょうど、今、市内の学校で「情報セキュリティの現場指導」が行われているのと同じです。
学習の個別化とその指導法
ひのっ子教育21開発委員会の小学校部会が、南平小学校で開催されました。
第4学年「わり算の筆算を考えようーわる数が2けたー」 ICT活用指導力C-4
インタラクティブ・スタディ(コンピュータを使った個別学習教材)を活用した授業研究です。
授業者の先生は、開発委員会2年目のベテランの先生です。
インタラクティブ・スタディを活用した授業を数多く経験され、そのノウハウをお持ちです。
協議会では、まず、授業から学んだことを話し合いました。
「一斉指導」に慣れた先生方にとって、新たに「コンピュータを活用した個別指導」のノウハウを学ぶ機会となりました。
この話し合いをもとに、市内の小学校にも指導法のマニュアルを配ろうということになりました。
入口で子どもを迎えます。これが個別授業 のはじまり。 | 児童は席に着くとすぐにコンピュータの画面を出し、ノートを書き始めました。 |
友達に聞いたり、先生に教えて もらったりしながら自分のペースで進めます。 | 教師用画面を見ながら、委員の先生方も支援方法を学んでいます。 |
教師用画面・・・長時間同じ画面から 進まない子どもを示すランプがつきました。 | 教師用画面・・・問題ごとの達成率が示されます。「どこにつまずいているのかな」 |
出口で一人一人の子どもに声をかけて見送ります。これが個別授業の終わり。 | 委員の先生方の学び合いの様子。 (協議会) |
本委員会の指導者 東原教授。 |
◆委員の先生方から出された感想
学習の個別化のポイントは・・・
・普段手厚くできない子にこそ個別指導をすること
・初めも終わりもいつもどおりの指示だけ
(インタラクティブ・スタディの学習習慣・・・ノートを開くこと等)
・手厚いけれど余計な指導をしないために教師用画面を活用すること
・その教材の使い方
(1時間用かどうか)をよく理解して使うこと・・・1時間でもあきないであっという間に終わる
・個別指導の計画(分析から見いだした発見に基づく計画)を作ること
・開始・終了時刻の個別化(終了数分前の合図)を図ること
・一斉の指示をしないこと、競争心をあおらないこと、安心して間違えるようにすること
・気軽に友達と話してもよい雰囲気を作ること
「わからないことは隣の人に大いに聞きましょう」(人と人との相互作用を密に)
・意図的に働きかける子どもをあらかじめ決めること(1時間にほぼ全員を見ている)
・教室の授業と同じ感覚で(コンピュータ室だからといって特別ではない)
・教えあいもOK(答えは教えない、教えあいのルールはある)
・全員に指導補助の先生がついているような感覚で⇒教えることに慣れるように
(評価情報を生かす)
日野第二小学校教育委員会訪問
本校は、今年で開校134年目を迎えた歴史の古い学校です。
学区には、かつては水田の広がっていた静かな農村の面影があちこちに残っています。
いたるところに湧水があり、サワガニやカワニナが生息する自然環境も残されています。
本校は、これらの豊かな自然や地域を教材とした教育活動を充実させています。
本校の一番最初の名前。 (校長室前の掲示より) | 本校自慢のビオトープです。 今年度も審査を受けました。 |
◆全学級の授業を見せていただきました。
第2学年算数「九九をつくろう」 ICT活用指導力B-3 教科書の 図を拡大し、わかりやすく説明しています。 | 第5学年国語「詩を味わおう」 ICT活用指導力B-1 短詩の本文から題名を考える導入部分で、先生がWeb上で探して用意した画像を投影し、イメージをふくらませています。 |
第5学年算数「面積の求め方を考えよう」 ICT活用指導力B-4 平行四辺形の面積の求め方をWeb上の動画コンテンツで確認しています。 | 第6学年算数「立体を調べよう」 ICT活用指導力Bー3 児童の考えた立方体の展開図を書画カメラで映して発表、情報共有をしています。 |
第6学年道徳「公徳心と権利・義務」 ICT活用指導力Bー2 みんなで考えていく 課題を提示しています。 | 通級学級のせせらぎ学級(きこえの教室・ことばの教室)では、ペーパーレスケース会議が行われていました。担当の先生は次のようにおっしゃっていました。「個人情報の管理をしっかり行うためにも、ケース会議はペーパーレスで行っています。」 |
本当に必要なものだけをとっておく
◆先週より、情報セキュリティを専門とする会社の人(専門家)による「情報セキュリティの現場指導」を実施しており、今週も引き続き行います。
昨年度も3学期に全校実施しましたが、その際に、学校の情報セキュリティ運用状況の課題の一つとして、職員室等の机上や棚の上の整理整頓があげられました。
◆校務の情報化が浸透することによって紙文書が激減し、データもしっかり管理できます。
このことで職員室の机上等も整理されるはずです。
ところが、そううまくいっていないのが現状です・・・・
現場指導に行っている専門家が次のように話されました。
「先生方は、子ども達に提出させたワークシートや作品等を期限を区切って返却されているのでしょうか。職員室に置かれたままになっていないでしょうか。このあたりを先生方がどう認識されているかが大切なポイントになると思います。」
◆下の画像は、市内の学校・園訪問等で見つけた「きれいな机上」です。
ポイントをお聞きしたところ、
「古い書類、必要のなくなった資料は取っておかずに思い切って捨てること。本当に必要なものだけきちんと管理すること。」
だそうです。
職員室 | 職員室の机上 |
校長室の机上 |