過去の推進室情報 2007年

推進室情報 2007年

山を乗り超え、軌道に乗れば効率的


本日夜6時より、第2回「日野市学校教育基本構想検討委員会」が開かれました。
事務局が示した『日野市の学校教育の基本施策と現状・課題』について活発な意見が出されました。
市民代表の委員の方から、「学校公開の期間を広く知らせてほしい。もっと学校の様子を知りたい。情報を積極的に公開してほしい。」
といった意見も出されました。
これについては、各学校がWebサイトで積極的に発信していることを紹介しました。
また、忙しい先生の対策として、校務の効率化について話題になりました。
これについては、市内の先生方が校務支援システムを活用していることを紹介しました。
現在は、システムの機能を覚えたり、今まで自分が独自に使っていたシステムから新しいシステムに切り変えなければならなかったり、大変な面もあります。しかし、この山を乗り超え、軌道に乗れば確実に効率的になります。

「それぞれの学校で超えなければならない山があります」

台東区教育委員会の方が視察にお見えになりました。
都内の先進地区である日野市の校務の情報化について、特に校務支援システムの運用について教えて欲しいということでした。
推進室で日野市の状況を説明させていただいた後、実際に市内の小学校と中学校に案内しました。
学校で、実際に校務支援システムが稼働している場面を見ていただきました。

◆日野第七小学校で・・・


説明してくださったのは
大野副校長先生です。
グループウエアの活用やセキュリティ対策について説明していただきました。
「小中連携校の掲示板を活用して、4校で今月30日の研究発表会に向けて指導案検討を行っています。」




時数・週案機能の週案画面。

何が効率化されたのですか?」という質問に、次のように答えておられました。
「教務関係の校務が非常に効率化しました。(授業)時数はより正確に簡単に出すことができます。
一度作るといろいろなことに反映されて便利です。初めの設定は大変な部分もありますが、一度やっておくと後が楽になります。時間が短縮されます。」

◆日野第四中学校で・・・


説明してくださったのは教務主幹の古田先生。秋山校長先生も同席されました。成績管理機能を中心に説明していただきました。
「データを一元管理できます。通知表の印刷は一クラス5分でできてしまいます。」




時数・週案機能の週案画面。

「何が変わったのですか?新しいシステムの導入はすんなりいったのですか?」という質問に、次のように答えておられました。
「情報を全員で共有できるようになりました。今までは、成績処理の仕方が個人、各教科によってバラバラでした。
すべてがシステム上でオープンになるので、自然に統一されていきます。」
「新しいシステムを取り入れるにあたって、それぞれの学校で超えなければならない山があります。
本校では、まずは、システムを覗いてみて、触ってみて・・・というように進めました。
職員室の真ん中にプロジェクターを置いて、画面を映し出して常時見てもらえるように工夫もしました。
隣の席の先生同士が聞き合いながら、自然に学び合っている雰囲気が生まれてきました。」

 

◆校務支援システムの導入にあたっては、各学校で管理職や主幹の先生がリーダーシップを発揮し、いろいろな工夫をされてきました。
中学校では、教務主任の先生同士の連携が大きな力となりました(特に通知表作成時)。

今回、2校とも大変快く視察の依頼を受けてくださいました。
日野市では、先生方一人一人にコンピュータが配備され、校務支援システムが導入されたのが昨年の11月です。
校務の情報化が始まってからようやく1年たったことになります。
日野市への視察依頼は校務支援システムの導入時からありますが、
今回は、市内の学校の、「実践に裏付けられた自信」「超えなければならない山を超えたことによるゆるぎない安定感」を感じました。

1年前、校務の情報化の先進地区である上越市教育委員会を訪問したことがあります。
市教委の方は、大変気持ちよく視察を受け入れてくださり、日野市のためにたくさんのアドバイスをいただきました。
また、訪問させていただいた小・中学校も、親切・丁寧に取組を見せてくださいました。
この時、上越市が何年も積み重ねてきたことへの自信を感じました。
今度は日野市がその立場になったことを感じています。


視察に来られた自治体の校務の情報化を応援したいと思います。

日野第二中学校教育委員会訪問

本日、日野第二中学校教育委員会訪問を行いました。
本校は、市の研究奨励校で、食育について研究しています。
研究のテーマは「総合的な学習の時間を生かした3年間の食育カリキュラムの研究」です。
食に関する知識を習得し、食の大切さを理解して、生涯にわたって健康的な生活を送る実践力を育てることを目指しています。

 

全学年すべての教科の授業を見せていただきました。
ちょうどICT導入活用期間であり、メディアコーディネータも授業支援で活躍していました。


第2学年体育「とび箱運動・マット運動」
ICT活用指導力C-1
自分の技を振り返ることのできるスポーツミラーが大活躍。
授業以外でも、バスケット部やバレー部で活用されているとのことでした。

  
第1学年英語(少人数指導)
ICT活用指導力 B-2・3
デジタル教科書の提示、音読(会話)機能、フラッシュカードを活用しています。



第1学年社会「都道府県を調べよう」
ICT活用指導力C-1
地図帳や統計資料で調べた後は、インターネットによる情報収集です。
授業支援用PCを並べて、無線LANの
威力発揮。
第2学年音楽「鑑賞・交響曲第5番ハ短調1楽章」
ICT活用指導力B-1
レーザーデスクの教材で、メモを取りながら鑑賞です。




第2学年理科「生命を維持する働き」
ICT活用指導力B-3
食物はどのようなしくみで消化・吸収
されるのかをWeb上のコンテンツを
提示して説明しています。
第3学年美術「日本らしい美 切り絵」
ICT活用指導力A-4
黒板には、デジタルカメラで撮影された先輩たちの作品が貼られています。生徒達は、かすかに流れるBGMの中で、ゆったりと、しかも集中して作品作りに取り組んでいました。

  
第3学年技術・家庭科「構想したものを図で表そう」
ICT活用指導力C-4・B-3
CAD(コンピュータによる設計支援ソフト)を使って、木材加工で制作する作品の 構想を図に表していました。説明は、e-黒板を活用しています。

情報安全教育講演会のお知らせ

今月29日(木)午後6時半より、市民会館大ホールにて
情報安全教育講演会を実施します。
講師は、独立行政法人メディア教育開発センターの堀田龍也先生。
演題は、学校と家庭で取り組む「メディアとのつきあい方学習」。
推進室のメディアコーディネータが作成したポスターをダウンロードできるようにいたしました。
多くの保護者の方々・学校関係者の方々に集まっていただきたいと考えています。

滝合小学校学校課訪問

本日は、滝合小学校の学校課訪問を行いました。
本校は、校務支援システムの時数・週案機能を積極的に活用しています。
また、会議の効率化を図るため、「職員会議」の共有フォルダを作成し、ペーパーレス会議も行っています。

本校自慢の「ワンド」。学校の前を流れる浅川の河川敷にあります。



今日は1年生の生活科の学習の場となっていました。子ども達はたくさんの秋の発見をしていました。
本校は、ワンドや湧水を利用したビオトープを活用しながら、環境教育に力を注いでいます。
これらの取組は、本校のWebサイトより積極的に発信されています。


第6学年体育「バスケットボール」 ICT活用指導力Bー2


バスケットのプレーを振り返る学習です。
記録された動画を見て、それぞれのチームの課題を見つけ、チームで話し合い、課題解決を図っていました。

842名の感動的な大合唱

本日、三沢中学校の創立30周年記念式典が開かれました。
本校は日野市がベットタウンとして人口が急増した時期にできました。
以来、育成会や地域の方々に支えられてきました。
近隣の小学校、地域の諸団体と合同で行っている「クリーン作戦(地域の清掃活動)」は、市だけでなく全校からも注目されています。

現在の生徒数は842名。都内で2番目に大規模の学校です。
明るく活気にあふれ、生徒たちの元気の良い挨拶は評判です。
記念演奏として行われた「吹奏楽部伴奏・全校生徒による合唱」は体育館中に響き渡り、大変感動的でした。

理科におけるICTの活用

先日の三沢台小学校の理科の研究発表会では、ICTが道具としてうまく活用されていました。
理科におけるICTの活用については、以下のように考えています。

◆画像・映像等のWebコンテンツの活用について
理科は体験が重要であるとよく言われます。その通りです。
しかし、体験至上主義は、間違いです。
ICTよりも体験を重視すべきであるとか、ICTは必要ないなどという二者択一の問題ではありません。
電子顕微鏡をはじめ、地震予知や、ニュートリノの実験など、最先端の科学は、みな、メディアを介して可視化しています。
ICTの活用により誰も見たことのないことを実感できるようにしているのです。
ICTはあくまでも道具です。
体験を拡大してくれる道具であり、体験のための道具でもあります。

◆スタディノートの活用について
単元(指導すべき内容)との関係より、むしろ、指導方法との関係で活用すべきか否かが決まってきます。
あくまでも子ども達の表現・コミュニケーションの手段ですので、その単元をどのような学習展開にしていくか、子ども達の学びを深めていく必要があるかどうかによって活用すべきか否かが決まります。

◆e-黒板、書画カメラ等の活用について
黒板、チョークと同じように、日々の授業において日常的に活用できる道具にすぎません。
理科に限らず他の教科と同様です。特別に活用する道具というよりはむしろ普段の教具の一つです。
他の指導法や学習方法と組み合わせて用いられる道具の一つです。

★いずれにしても、ICT活用については実践してこそ効果が分かります。
日野市では、ICT環境が整っているからこそ、効果が予測されたら、まずは使ってみましょうということで推進しています。
使ってもみないうちから、
ああだこうだと論議することは避けたいと考えています。
実践してこそ効果がわかり、より質の高い授業を目指すことができると考えています。

三沢台小学校研究発表会

昨日は本市の研究課題校である三沢台小学校で研究発表会が開催されました。
本校は、文部科学省の「学力の把握に関する研究指定校」でもあります。
『「感じる 気づく 考える」~自ら知を創造する理科学習を目指して~』というテーマで、2年間の研究を進めてきました。
先生方が「子ども達のために、そして自分たちのために」を合い言葉に、理科を楽しみながら学び合っていた姿が印象的
でした。

◆中学年で公開された授業は2つです。
当日のICT活用はありませんでしたが、これまでに、学習のめあてや実験の手順を提示するためにICTを活用してきました。
このことは授業後の発表会で報告されました。 (ICT活用指導力Bー2:興味・関心を高めたり課題意識をもたせる)


第3学年「太陽の動きをしらべよう」
LEDライトを太陽と見立て、実際に観測した
記録用紙の影に合わせて太陽の動きを
再現させ、確認しています。
第4学年「変身する水を調べよう」
エアポンプで集めた泡、沸騰して出てくる泡を集める2つの対照実験により、泡の正体を推論しています。




授業後の発表会で報告された中学年部会での報告。


◆高学年で公開された授業はいずれもICTが活用されていました。

第6学年「からだのつくりとはたらき」 (ICT活用指導力Bー4:学習内容のまとめ・知識の定着を図る)



動脈は赤、静脈は青のテープを使い、
グループごとに考えた血液の循環を発表
人体模型で確認




Web上のコンテンツで確認

第5学年「てことつり合い」 (ICT活用指導力C-1・2・3:児童が情報を収集、考えをまとめる、表現したり発表したりする)


佐島校長先生を軽く持ち上げるには
どうしたらよいだろうか
データベースのマップ上に掲載された各自の仮説・実験方法




グループでの意見交換、相互評価グループごとに再考案した実験方法を発表

実験方法とその理由について、各自があらかじめスタディノート(校内LANに接続されたWebノート)でまとめたものが、データベース
のマップ上に掲載されていました。
このノートには、今までの実験の取り組みも動画で記録されています。「デジタル実験ポートフォリオ」とも言えます。
グループごとにそれを見ながら、意見を交換してお互いの考えを吟味し、グループとしての考え・実験方法を再構成していました。
今後、このノートにより、実験を進めていく過程で子ども達がどのように科学概念を獲得していくかを読み取ることも可能です。
今回の発表ではあまりふれられていませんでしたが、スタディノートの活用は『情報の共有・意見交換・知の再構築』に非常に有効な
手段となる可能性を感じました。

日野第一小学校研究発表会

日野市内の研究校の発表会が始まりました。
今年度は、11月から2月にかけて、計14校の研究校(ICT活用教育・特別支援教育・小・中連携教育・食育・学力向上・理科・国語等)が
公開授業を行い、研究の成果を発表します。

昨日は、日野第一小学校がトップを切って研究発表会を開催しました。
テーマは、「元気な子どもの育成~食育・体育科を中心とした心と体の健康づくり~」です。

本校は、3年間にわたってこの研究に取り組んできました。
食育は、日野市においての重点施策でもあります。
食育の具体的な指導計画を作成し、各教科、総合的な学習の時間(生産体験学習)、給食の時間を充実させてきました。
地場産野菜農家、JA、実践女子短期大学等、地域の農家や関係機関との食育を推進するネットワークも形成しました。

  

第6学年家庭科「特製!バランス弁当をつくろう」
ICT活用指導力B-3・4
家族の健康のため、バランス弁当の献立を考えようという学習です。
できた弁当の献立を発表したり、ワークシートを拡大して子どもたちの考えをまとめる際に、ICTを活用しています。
「栄養バランスは?」「彩りは?」


親も一緒に学んでいきましょう(日野市家庭教育学級研修会)

本日午前中、文化スポーツ課が日野市家庭教育学級研修会(講演会)を開催しました。
対象は、各校の家庭教育学級を担当している保護者(家庭教育学級主事)と、その他一般の保護者の方々です。
今日のテーマは「インターネットの正しい活用方法について」
講師は、東京女子体育大学の小田和美先生です。
  

・「私達の生活に役立つインターネット」と「悪い大人にとって天国のようなインターネット」
・インターネットはアバウトなものだからこそ、うわさに惑わされてはいけない。
・インターネットが危険なのではなく、その奥に危険な大人がいる。
・生活の知恵は、本来子どもの時に親から教えられるもの。インターネットは急に出てきて急に成長してしまったため、私達は親から教えられていない。だからわからない。…知恵を覚えて、子どもに伝えるのが大人の役目
・インターネットの奥には、危険な大人がたくさんいることを、保護者は知っていなければならないし、おりを見てそれを子どもに伝えなければならない。


講師の小田先生に許可をいただいて、講演会の資料をここからダウンロードできるようにいたしました。


以下、参加された保護者の方の感想の一部です。

◇インターネットは使い方によって危険だったり、便利だったり、楽しかったりすることがわかりました。知らないことが多く、もう少しインターネットを勉強しないといけないと思いました。子どもに使ってはダメとパソコンを触らせていませんでした。自分の無知さに反省です。
◇興味深い内容を、母親の立場からもお話しいただいたので、パソコンが全然わからない私にも少しわかったような気がします。インターネットもダメなことばかりではないということがわかり、子ども達に禁止することばかりだった私は間違っていたことを知りました。
◇怖いイメージのインターネットでしたので、今回のお話を聞けてとても勉強になりました。怖がって禁止するばかりではなく、今回のような講演を聞いたり勉強したりして、子どもにも教えてあげられるようになれたらいいなと思いました。今回だけでなく、定期的にお話を聞きたいです。
◇親は最近普及してきたネットに詳しくないのに、子どもの世界で不可欠になっている時代にはつらい部分があります。ただ、詳しくないので・・・と逃げてもいられないと痛感しました。これからは一緒に学んでいくべきなのでしょう。大変参考になりました。
◇今回初めてインターネットの話を聞き、いろいろなことができることに感動しました。家ではまだありませんが、興味が出てきました。これからの時代はなくてはならないものなので、子ども達にも安全に使えるように教えてあげられるようがんばりたいです。
◇子どもは使いますが親はあまり使っていません。(使えない)注意しなくてはならない言葉の意味すらわからないものもありました。もう少し勉強しなくてはと思いました。ネットショッピングは父親と一緒に子どももやっているので、今日のお話を聞かせたいと思いました。
◇大変ためになるお話を伺えてうれしく思いました。家に帰ったら改めて子どもとルールを作り、これからもインターネットを楽しく使っていきたいと思います。


今回は、インターネット経験の浅い保護者向きにしてお話いただきましたが、講師の先生のお話の内容を既に知っていらっしゃった方、経験の多い方からは、インターネットの危険を具体的に回避する方法やもう少し深い内容について知りたいという感想をいただきました。