2008年8月の記事一覧
生涯にわたって古典を親む生徒を育てる
◆新学習指導要領に対応した教育課題研修「伝統や文化に関する教育の充実(中学校国語科教
員対象)」を実施しました。(8月1日)新学習指導要領の国語科では古典が重視されまし
た。小・中学校ともに〔伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項〕が新設されていま
す。その概要は、小学校第5・6学年で「古典について解説した文章を読み、昔の人のもの
の見方や感じ方を知ること」、中学校第1学年で「古典の世界に触れること」、第2学年で
「古典の世界を楽しむこと」、第3学年で「古典を読み,その世界に親しむこと」となってい
ます。
◆新学習指導要領での古典の扱い、古典に関する教材と指導のポイントについて、
信州大学の西一夫先生に講義していただきました。
◆受講した先生方の感想です。
◇古典を教育する目的や実際の指導方法など普段から疑問に思っているポイントを的確に教え
ていただき、大変参考になりました。講義の中で、祇園精舎の鐘や五行思想のお話も興味深
く聞かせていただきました。少人数の講義で、あてられたりしてヒヤヒヤしましたが、久し
ぶりに大学生に戻ったような感覚で楽しく有意義な時間を過ごさせていただきました。昔自
分が受けた「原文尊重」の授業が変わりつつあることに一抹の寂しさも感じますが、まず古
典を「楽しむ」「親しむ」様な授業づくりを目指して今後工夫していきたいと思います。教
材研究をもっとせねば!指導書はあまり使ってはだめですね。図書館に通って文献を調べて
いた初心に戻りたいと思っています。
◇久しぶりに大学の先生の授業を受ける事ができ、とても有意義かつ楽しい時間でした。子ど
もたちは文学を楽しむというよりは「答え」しかも「正答」を求めたがります。国語は「正
答」の先にある「感覚」をとぎすます教科だと思います。「正答」を知った上で楽しいと感
じさせることができたら良いなあと常々思っていますがなかなかうまくいきません。本日の
講義の中に出てきた五行思想ですが、子どもたちの好きな漫画でも多用されています。子ど
もたちが普段から親しんでいる古典の知識から古典を学問として楽しめるような授業ができ
るように頑張ります。今後は、教材研究で「いかに子どもたちの生活とつなげられるか」に
重点を置いていきたいと思います。
◇新学習指導要領においての言語力の育成に関することが詳しくわかりました。国語科におけ
る古典の教育の重要性を感じ、より深い教材研究が必要であると感じました。方角や色と
いった知識が学習を広げ、現代の我々の生活にどうつなげていけるかが大切であるとわか
り、生涯にわたって古典を親しんでくれる生徒を育てられたらいいと思いました。日本語の
口頭言語と書記言語のこともお話の中で関係が少し見え、国語教育の奥深さや楽しさ、可能
性の広がりを感じることができました。また、今後のために、旧暦についての勉強をし、生
徒たちに教科書教材+αを与えられるようにしたいと思います。