過去の推進室情報 2008年

推進室情報 2008年

夏季教員研修全体会 第?部

夏季教員研修全体会第?部の様子です。

★第?部「“教師としての専門性”が自信を高める」
  講師 奈良教育大学大学院教育学研究科(専門職学位課程)教職開発専攻 小柳和喜雄教授
          信州大学教育学部附属教育実践総合センター長         東原義訓 教授

 
 
 

教員養成、教職大学院、教員研修の新たな方向性に取り組んでいらっしゃるお二人に、諸外国の教師教育、わが国の教師教育について紹介していただき、日野市の取組にもふれながら、「教師の専門性」について考えていきました。

★受講者アンケートに書かれた感想

◇多忙な毎日の中で、自分自身の目標、目指すべきゴールを見失いかけていたように思う。
    まずは、自分が何を目指して教師の道を生きていくのか考えていこうと思う。そして、自分
    自身を高めるために努力を続けたい。

◇テーマが興味深く、話もわかりやすかった。自分自身、初任研や10年研を経験し、年数だ
    け見ると中堅教師になった今、自分が教師としてどの立ち位置にいてこれからどういう方向
    を目指していくべきか、またどのように進みたいのか模索している状態なので、改めて振り
    返り、考える機会がもてた。

◇教師としての専門性とは何か。医師や弁護士はその専門性の根拠が明確だが、教師は全体像
    とゴールが見えず、独りよがりのなりがち。そこで、教職大学院や教員研修の新たなシステ
    ムができており、その内容をかいま見ることができた。自分自身、漠然としていた教師の専
    門性を明確にすることができ、自分の進むべき方向がはっきりしてきた。

◇専門性について、小柳先生の提示して下さった表を見て納得した。今まで自分が今どこの位
    置(レベル)にいるかわからないままに日々の仕事をこなしていた。自分がどこまでできて
    いると言うことがわかれば自信をもつことができるし、これから何を身に付けていったらよ
    いかがはっきりわかる。これまで意識することがなかったので、今回、自分を見つめ直す良
    い機会をいただいた。

◇自分としてはICT機器を学習効率を上げるために積極的に活用しているつもりだったが、東原
    先生の演習により、奈良教育大学教職大学院で使用されているルーブリックによる自己評価
    をし、今後の課題を見つけることができた。現職である以上、専門性を高めることは必要で
    あるので、このような自己を高める取組を続けていくことの必要性を感じた。

◇改めて自分の専門性は何なのかを考え直す時間になった。自分にとって4つの教師像
  「計画者・授業者としてとしての教師」「教科の専門性に強い教師」
  「カウンセラーとしての教師」「リーダー・調整役としての教師」
    にあてはめて、目指す資質能力の目標はどこなのか
    をはっきりさせることがまさにキャリアプランになるのだと理解した。事例のスタンダード
    が大変参考になった。他のルーブリックの仕組みも知りたい。

◇教師の専門性は幅が広く、それをしっかりと自覚して身に付けていくことが大切であると感
    じた。しかし、これだけの広い分野ですべて100%の専門性とはなかなかいかない。子ど
    も達の中にも勉強の得意・不得意の分野があるように、教師にもある。そこで、個人が幅広
    く努力していくと同時に、得意な分野の専門性をさらに高め、それを校内に広めて行くこと
    で共有ができるのではないかと考えた。自分もそういう役割を担えるようにしたい。まずは
    自分自身を高めていかなくてはと思う。

◇教師としての専門性について2点学んだ。1つは、「専門性」をもつこと自体が重要なこと
    であるから教師は追究すべきであるということ。そして2つ目は、「専門性」とはどのよう
    な教師の仕事(役割)の面を指しているのか、その分析がなされたということ。
    自分に当てはめて向上していく必要性を改めて感じている。

◇教職大学院の内容を初めて知った。教員生活も年数が長くなるにつれて、教科指導、校務、
    人間関係等様々な事に追われる毎日。焦点をあててさらに学び直したいという思いもある
    が、なかなか難しいのが現状。しかし、教師として、人間として幅を広げ、子ども達に希望
    を与えられるようになるためにも、学び続ける姿勢をもちたいと思った。今回の講演は非常
    に刺激になった。

◇自分は今まで体験を通して専門性を高めてきたのだと振り返った。今の若い教員に研修が多
    いのも、専門性が身に付くように行政が計画したものであることを改めて感じた。だから、
    若いのに優秀だなあとかすごいなと感じることが多かったわけだ。自分が専門性を身につけ
    てきたのは、自分の乏しい体験だけなので幅が狭いと思う。これからの世代には、専門性を
    より多く身につけ、教員として誇りをもって仕事をしてほしいと期待している。

夏季教員研修全体会 第?部

夏季教員研修全体会。第?部の様子です。

★第?部「新学習指導要領のめざす教育~改訂のポイント」
  講師 早稲田大学教育学部 安彦忠彦教授
 


安彦先生には、中央教育審議会委員として、小・中学校新学習指導要領改訂に中心的な存在として関わられた立場から講演していただきました。

★受講者アンケートに書かれた感想

◇今年度、日野市に異動してきて、このような全体研修の機会があることは、とてもよいこと
    だと思った。講演を聴いて、授業時数の増加=子ども達の思考する時間の確保 という考え
    方に共感した。子ども達は、1つのことに対していろいろな視点で見たり感じたりする素直
    さや豊かさがある。そこからもっと多面的に考えることや伝えることを大切にした授業に取
    り組んでいきたいと思った。

◇中教審の委員というお立場から新学習指導要領改訂の背景から方向性、ポイントを、根拠の
    あるデータ(PISAなど)を示しながらわかりやすく話していただけた。今後の教育で目指
    す方向性が、話を聴く前と聴いた後では意識が変わり、より鮮明に自分の中に残った。
    また、学校、家庭・地域、行政がうまく機能して教育に携わっていければよりよい教育効果
    が得られるのだと実感した。

◇OESDの結果を受け、今回の改訂で「思考力」「判断力」などの力を高めることに重点が置
    かれていることを理解した。校内研究においても考える力を高めるための取組を進めている
    ので、新学習指導要領をよく読み、その具現化に努めようと思った。

◇今回の改訂では、子ども達の実態から考慮されたものであることがよくわかり、実際に改訂
    に関わった先生の話が聞けたことは貴重だった。特に今叫ばれている「活用型」の意味、位
    置付けが明確になり、これをいかに実践していくかが鍵であると感じた。もう少し自分自身
    の中で「活用型」の定義を明確にしていくことと、各教科の改訂のポイントや趣旨をしっか
    り理解できるよう勉強しなくては、と感じた。

◇本校ので行っている研究の目指すところを共通する部分がたくさんあり、安心するとともに
    さらに深めていきたいと思った。また、安彦先生は、はっきりと矛盾点も指摘され、頼もし
    く感じた。このような方に守られている教育界にいられることに喜びを感じた。
    教育現場の人間として自分もがんばっていきたい。

市民会館大ホールは先生方の熱意で一杯

夏休みに入って2日目。暑い毎日が続きます。
本日は、夏季教員研修全体会が開催されました。
日野市内の全小・中学校、幼稚園の先生方約650人が日野市民会館大ホールに集まりました。
毎夏に開催するこの全教員対象の講演会形式の研修会は、今年で5年目になります。
会場は日野市の先生の熱意で一杯になりました。


★第?部と第?部の講演の合間には、2つの説明を行いました。

  
「日野市の特別支援教育について」
通常学級に在籍する児童・生徒への対応と
日野市の進めている特別支援教育の体制に
ついて理解を深めてもらうために、
梶野指導主事が説明しました。
 
 「日野市学校教育基本構想
(仮 教育のまち 日野ビジョン)
の策定について」

ひのっ子教育21が策定されて10年たちました。これからの日野市の学校教育が向かう方向性をまとめている素案が来月にまとまり、秋にはパブリックコメントを受ける予定であることを浮須参事が説明しました。

★午前、午後の講演の合間には、5分間の健康体操を行いました。指導者は健康課の職員です。


★午後の講演開始前に、日野囃子保存会(日野市祭囃子連合会)による
祭囃子を演奏していただきました。
150年以上もの伝統をもつこの日野囃子は、今後もひのっ子に受け継がれていきます。

明日の全体研修会の準備

明日は、日野市内の全先生方に日野市民会館大ホールに集まっていただいて実施する全体研修会です。今年度で5年目を迎えます。指導主事は朝から準備中。
明日第2部の対談では、会場で短時間に対談用の3台のコンピュータをうまく接続するために、分配器は?切り替え器は?モニターは?・・・と、
実際に明日を想定したセッテングを行い、練習しています。
講師の先生のお名前も、プロジェクターで投影することを試みています。

家庭への啓発の必要性

メディアコーディネータと一緒に、本日、心理療法カウンセリング講座を受けてきました。

内容は「大人は知らない「ネットいじめの対処法ーいじめ、不登校、ひきこもり、問題行動を起こす子供の具体的対処法 ー」です。
講師は、本市の5月の情報安全教育研修会でご指導してくださった安川雅史先生です。
講座の最後は、次のような言葉で締めくくられました。
「携帯電話を持たせるということは責任を持たせるということです。
どれだけ多くの危険があるのかを親が十分に理解して、子どもをしっかり守ってあげて下さい。」



今回の講座の資料  内容は推進室から各学校に還元していきます。

◆5月の情報安全教育研修会を受けて、1学期に各学校では、発達段階に応じてネットいじめに対応する指導を行いました。夏休みに向けて全体指導を行った中学校や、保護者対象の研修を企画した児童館もありました。先日配布した教育広報「ひのっ子きょういく」でも、第一面にこのことを特集として取り上げています。

  
 日野第二中学校にて

 みさわ児童館にて

◆今回の講習を受けて、今後も継続して「ネットいじめへの対応」について家庭に啓発していく必要性を感じました。