校長室だより

2020年8月の記事一覧

プラスの年になるように


夏休みも終わり、学校に子供たちが帰ってきました。休校が明け、分散登校を経ての1学期は、子供も、周りの大人も、速足で駆け抜けたような感がありました。今年は16日しかない異例の夏休みでしたが、少しでも子供たちが頭と体心を休ませることができていれば良いなと思います。休校明けには、子供たちから「友達や先生と会えてうれしかった。」という声がたくさん聞かれました。16日ぶりの再会に心躍らせながら、長い2学期のスタートが切れることを願っています。

 

さてこの夏は、本来なら東京五輪に沸いたはずでした。アスリートによる熱い試合を見て興奮と感激の日々を過ごしたはずでした。

7月23日に、競泳の池江璃花子選手が国立競技場でメッセージを発信しました。

「・・・・。オリンピック・パラリンピックが1年延び、目の前の大きな目標が消えたことは、選手たちにとって大きな喪失感だと思う。 ・・・・ しかし、今日、ここから始まる1年を単なる1年の延期ではなくプラス1と考える。それはとても、未来志向で前向きな考え方だと思いました。 ・・・・ 一方で思うのは、逆境から這い上がっていく時には、どうしても、希望の力が必要だということです。希望が、遠くに輝いているからこそ、どんなにつらくても、前を向いて頑張れる。 ・・・・。(一部抜粋)

アスリートだけが苦悩しているのではありません。感染症拡大の収束が思ったより芳しくなく、当たり前だった日常や、当たり前に行われるはずだった学校行事、日常の学校生活が制限されたり失われたりしている現状。子供たちにとっても大きな試練・失望があるのは当然です。しかし、半年たってしまった今、後ろを向いているのではなく、池江さんが語っているように気持ちを切り替えていくことが大切だと思います。

 

当たり前だったことが、できなくなった今、当たり前の中でも特に自分にとって大切な「もの・こと」を再認識することができるはずです。それが、自分にとっての【希望】であるかもしれません。今年はそれに特化して、自分の力を注いでみる。当たり前の形ができないのなら、新しい形でできないか想像してみる。当たり前のことができなくなって空いた時間に、今までは時間がなくて取り組めなかったことに挑戦してみる。物事は『ゼロか100か』『できるかできないか』ではなく、その時の環境によって自分の心身を適応できる柔軟さが必要だと思います。

子供に【希望】を持て、と言っても、なかなか子供一人では見つけ出したり自覚したりすることはできません。「今は回り道をしているようだけれど、この先にもずっと道は続いている」ことを伝えたり、違う形での実践を助言・提案したり、物事を精査したり・・・という形で、周りの大人が伴走していくことが大切だと思います。

 

学期の学校活動も、変更や制限・中止等もあります。ご迷惑、ご不便をおかけすることが多々あり、心苦しく感じますが、希望を実現するための準備・蓄えの時期だと考え、これからもご協力をよろしくお願いいたします。