校長室だより

2022年2月の記事一覧

3学期のテーマ「バトンを渡す」

3学期のテーマ 「バトンを渡す」

校 長 船山 徹 

 

 新しい年を迎え、新学期がスタートしました。子供たちはそれぞれに「今年の目標」を胸に登校してきていることと思います。子供たち一人一人の目標が実現できるよう、教職員一同、力を尽くしてまいります。

 3学期の学校づくりは、「バトンを渡す」をテーマとしました。

 2学期は、「今より もっと楽しい学校をつくる」をテーマに、様々な工夫を凝らし、今できることに力いっぱい取り組むことを大切にしてきました。3学期も、「2学期よりも もっと楽しい学校をつくる」ことを目指します。同時に、1年間のまとめとなる3学期を充実したものとし、より質の高い「楽しさ」を子供たちと教職員が共に味わえるようにしていきたいと考えます。そこで、大切にしたいことが「バトンを渡す」ということです。

それぞれの学年には、4月から、教職員と子供たちが一緒になって追求してきた「各学年の役割※」があります。その役割を、3学期の間に確実に果たすこと。そして、自分たちが担ってきたその役割を、次の学年に引き継ぐこと…。これが、「バトンを渡す」ということです。

 私は「バトンパス」は、バトンゾーンの中で、渡す者と受け取る者の間に生まれる、「とてもあたたかく力強い瞬間」だと思っています。バトンを手にして全力で走る者は、0.01秒でも早くバトン渡すことを「自分の役割」と考えて全力疾走します。次の走者に近付いても、次の走者がパスを受けるのにベストな状態になるまで自らのスピードを保って走り続け、その瞬間を待ちます。受け取る者は、スタートを切った瞬間から可能な限りの短時間でスピードを上げ、バトンを受け取る体制をつくります。お互いの体制が整ったその瞬間に、しっかりと握りしめて走ってきたバトンは、自走者の手のひらにグイっと押し込まれ、次走者は前走者がそうしたように、しっかりとそのバトンを握りしめます。そして、さらに次の走者にこのバトンを渡すという責任を胸に、自分の走路をしっかりと見つめて全力で走ってきます。前走者は、期待を込め、願いを託してその背中を見つめ、見守ります。バトンは、こうしてつながっていきます。

 私は、3学期の日野八小を、バトンを渡す子供たちの姿でいっぱいにしたいと思っています。子供たちが、各学年の自分たちの「役割」を踏まえつつ、今の生活がもっと楽しくなるように知恵を出し合い、工夫してやってみる。その結果得られる達成感や充実感を一人一人が味わう。そして、一つ下の学年に、自分たちが楽しんでいるその姿を見せ、「楽しみ方」を伝えていく。各学年の担う「役割」と「楽しさ」のバトンを、このようにして順繰りに渡していけるようになれば、「2学期より もっと楽しい学校」をつくることができると考えています。私たち教職員は、3学期という「バトンゾーン」で、子供たちがしっかりとバトンを渡すことができるよう、共に考え、工夫し、導いてまいります。

 このような考えのもと、本年も、目指す学校像の実現に向けて、全力を尽くしてまいります。引き続き保護者、地域の皆様のご支援をいただきますよう、お願い申し上げます。

                         ※印…本校HP「校長室から」2021/06/07をご参照ください。