学校日記

2015年5月の記事一覧

朝会の話

 月曜日の朝会では、校長などから子供たちに伝えたいことを話します。

 先週は、ダンゴムシとワラジムシについて話をしました。似通ってはいるが、形が微妙に違い、ダンゴムシはワラジムシの1つの種類であり、ある状況になると丸くなることや、オスとメスに違いがあること、災害時には食用になること、漢方薬にもなること、落ち葉を食べて土を豊かにする一方で農作物の茎や葉を食べる人間にとっては害虫になること、脱皮を繰り返すこと、逃げ足はワラジムシの方が速いこと、足は14本だが、赤ちゃんの時には12本しかないこと、坂道をつくると必ず上に登ろうとすること、壁に当たると続けて同じ方向には進まないこと、一度に50~200個の卵を産み、寿命は約3年であることなどについて話をしました。

 普段は、プランターや植木鉢の下に住んでいる目立たない生き物ですが、様々な生態があることや当たり前だと思っていたことが違っていること等について知ってほしくて、子供たちにいろいろな視点で話をしました。特に、人間にとってどのような『立ち場』で生きているのかは受け取り方によっても変わってきます。どんな小さな生物でも大切な命があり、生きていくために工夫や努力をしているということを知ることで、それぞれの生き方を学び、自分の生き方を考える機会にもしてほしいと思っています。

 たまたま朝会の前に、日野市が今年度から進めている『学ぶ力プロジェクト』での講演会があり、田村 学先生のご講演の中にダンゴムシとワラジムシのことがほんの一瞬出てきたので、せっかくだから調べてみようと思ったことがきっかけです。子供たちには、単に好き嫌いというだけでなく、どんなことでも調べる中で新しい発見があることも知ってほしいと思います。

 今週はばらの話をしました。

 ばらの花には様々な色があり、咲いたときの形も違うだけでなく、花びらの数も全く違います。つぼみも、形や1本の茎に付く数が違います。また、名前がついていて、シンデレラ、チャーリーブラウン、テディベア、イングリットバーグマン、ピカソといった名前があると思うと、優香、のぞみ紫音、あおい、夢香といった日本の名前、カフェラテ、ティラミス、カプチーノなどの名前もあります。身近には、黒と青の色のばらはありませんが、トルコには黒いばらが自生していること、青いばらはバイトテクノロジーを活用して10年ほど前に作られました。

 ばらのとげの役割は、虫を寄せ付けないということではなく、葉っぱが形を変えたもので、水をたくわえることができます。ばらの実はオレンジや赤い色をしていることが多く、ビタミンCをたっぷり含まれているため、ローズヒップティにしたり、ローズヒップオイルとしてジャムやマーマレードにします。美白効果もあります。花びらや実をジャムにしてローズジャムをつくったり、アロマ用のオイルに使われます。

 ばらの香りにはリラックス効果があり、芳香剤や入浴剤等に使われます。紫色の花は、特に香りが強く、ブルガリアからのジャムやアロマオイルは値段も高いです。

 学校にも紫色のばらの花が咲いているので、探してみてください。いい香りがしますよ。

 このような話を、写真とクイズを入れながら子供たちに伝えました。ちょっと難しいかと思いましたが、良く聞いていました。

  昨日は男の子が5人、今日は女の子が5人校長室に来て、ばらの図鑑を見たり、校長からのばらについての説明を聞いたりしています。子供たちには、身近にある植物にも関心をもってほしいと思っていますが、こうしてすぐに『知りたい』と感じてくれる子がいるのは嬉しく思っています。各家庭でも、ばら以外にも素敵な花が咲いていることがありましたら、一緒に調べてみたり、実際に育ててみたりしていただけると幸いです。