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2022年12月の記事一覧
がんについて理解を深めよう
我が国では、一生のうち2人に1人ががんになり、3人に1人ががんで死亡すると言われています。
がんは珍しい病気ではなく、誰もが罹患する可能性があることから、子供のうちからがんについて理解を深めることが重要です。
そのために「がん教育」が推進されています。
本校では、本日、東京都立多摩総合医療センターの皆様のご協力をいただき、6年生を対象にした、がんの講話をしていただきました。
お話をいただく講師の方は、現場に立たれている看護師の方です。ご自身のお子さんが6年生とのことで、子供たちにも身近に感じられたことと思います。
豊富なデータを基に話が進められます。
・日本人が罹患するがんの種類の第1位は大腸がん、第2位は肺がん、第3位は胃がんである。
・部位別がん死亡数の第1位は男性が肺がん、女性が大腸がんである。特に男性は、喫煙者の発がん率が非喫煙者の約5倍である。
・がんは、全ての臓器で発生する。がん細胞は10~20年かけて成長するが、倍々で増えていくので、腫瘍が大きくなると、短期間で一気に増殖する。
・「5年生存率」は、初期の「Ⅰ期」だと92.8%であるが、進行した「Ⅳ期」になると13.5%に低下してしまう。
・早期発見のためには、がん検診が有効であるが、ほとんどの部位のがんの検診率が5割に満たない状況である。
がん患者の方は、吐き気や体の痛みで辛いことに加え、将来の不安や治療費の心配など心の辛さもあることに触れ、チームで患者さんの心や体の辛さを和らげるように努めていると、現場の看護師の方ならではのお話もいただくことができました。
まとめると、がん予防には、次のことが大事とのことです。
「がんは、早く見付かれば治りやすい。早く見付けるには、定期的に検診を受けることが大切」
「禁煙、節酒、バランスの良い食事、適度な運動、適正体重を維持すること」
(これらの全てに気を付けると、男性で43%、女性で37%、リスクが低下するとのことです!)
「感染検査やがん検診を受けること」
講師の先生のお話の後、近くの児童同士で、振り返りを行い、全体に発表をしました。
担任「今日のお話を伺って、自分たちにできることはどのようなことがありますか。」
6年生A「だらだらと生活せず、運動にも取り組もうと思いました。」
6年生B「運動に加え、栄養素をしっかりとる必要があると思いました。」
6年生C「習い事のコーチに、たばこをやめるように言おうと思いました。」
講師の先生は、子供たちに、今日学んだことをおうちの方にも伝えてほしいと訴えておられました。
家族ぐるみで、がんの予防に努めたいものです。
今回は、いつもとはちょっと違い、シリアスかつアカデミックな記事になりました。
それもそのはず…。
講師の先生「がんの罹患率は、男性の場合、50代から急激に上昇していきます・・・」
真剣にならざるを得ません。【校長】
(2016年4月から2018年3月まで)