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【子供たちがつくる学校プロジェクト】あぶないところに、いっちゃ、ダメ!!
3年生は、総合的な学習の時間に「日野市の博士になろう」、「安全マップづくり」の学習に取り組んできました。
学区域のことについて調べ、さらに、身近に潜む危ない場所などについてまとめていきます。
例年は、そのことを学級内で発表しているのですが、「子供たちがつくる学校プロジェクト」を進めている本校。どうせなら、まだ、学区域のことをまだよく知らない1年生に対して発表しようということになりました。
ペア学級(3-1と1-1、3-2と1-2・・・)ごとに、3年生が1年生に危険な場所や対応方法などについて教えていきます。
「子供たちがつくる学校プロジェクト」ですから、発表形式も学級によって違います。
写真のように、3年生の発表を1年生全員で聞くパターンもあります。
発表を待つ3年生の別のグループは、1年生の後ろに待機です。
このように、小グループごとに発表を行っている学級もあります。
ポスターで注意喚起をしている3年生もいます。
1年生のために、なるべく簡単な言葉で説明するよう頑張っている3年生たちですが、
1年生たち「漢字を習ってないから、読めません!」
などとツッコまれ、タジタジになっているグループもあります。
発表方法もいろいろです。
このグループは、紙芝居で説明していました。
こちらのグループは工夫していて、実際に撮影してきた危険な場所(この場合、大木島自然公園)を端末からモニターに映し、画面上にペープサートの子供たちを動かして、劇仕立てで説明しています。
遠足でよく行く大木島自然公園も、草むらや木の陰などの見えにくいところは危ない場所になります。薄暗くなると、さらに危なくなります。
1年生も、3年生の発表をよく聞いて、質問したり、感想を発表したりしていました。
それにしても、3年生は、つい4か月前までは2年生で、低学年だったわけですが、今回の発表を聞いていると、ずいぶん、お兄さん、お姉さんになり、すっかり中学年らしくなってきました。
成長を感じ、とてもうれしくなりました。【校長】
八ヶ岳を伝える
高学年の移動教室は、行くだけが目的ではありません。
事前学習、現地での体験学習、事後学習が組み合わさって、1つの学習になります。
5年生は、事前学習で八ヶ岳について調べたことに加え、現地で発見したことや感想などを入れ、来年度、八ヶ岳移動教室に行く4年生に対して、発表会を先週からペア学級(5-1と4-1、5-2と4-2・・・)ごとに行っています。
5年生と4年生がそれぞれ半分ずつ、ペア学級に行きます。
4年生は、5年生の学級に行くので、ちょっと緊張気味です。
一方、5年生のうち、一部の子は、去年、4年生で過ごしていた教室に戻ることになり、「懐かしい~!」と声を上げている子もいます。
Google Meetでペア学級同士を結び、5年生の担任が発表の方法について確認をします。
5年生と4年生で少人数のグループを作り、4年生が5年生の発表を聞きます。
「八ヶ岳の鳥」、「八ヶ岳の植物」・・・など、テーマに基づいた発表を行っていきます。
さらに、現地での思い出や感想などを4年生に伝えていました。
いつもはにぎやかな4年生たちも「先輩」の前ですので、神妙に聞き、発表が終わると拍手をしていました。
発表が終わると、八ヶ岳移動教室に関する自由な質問コーナーになります。
4年生A「宿のごはんは、どんな感じですか?」
5年生A「ハンバーグとか唐揚げとか、みんなが好きな物があるよ。」
5年生B「ご飯とスープはお替わり自由だよ!」
校長「最初のご飯やスープがちょっと冷めちゃってるから、お替わりをして、熱々のを食べるのがポイントだね。」
5年生B「そうそう、僕もすぐにお替わりしたよ!」
5年生と校長が盛り上がるのを不思議そうに眺める4年生たち。来年度、実際行けば分かります。
5年生C「あと、夜の枕投げ、楽しいよ!」
5年生D「結構、楽しいよね!」
それを聞きつけた校長。
校長「こら、4年生に余計なこと、教えない!!」
校長が通り過ぎたのを確認した5年生たち。
5年生C「見付からなきゃ、大丈夫だよ!」
こうして、悪しき伝統も引き継がれていきます(苦笑)【校長】
【子供たちがつくる学校プロジェクト】ダンスクラブ発表会
例年、ダンスクラブは、自分たちの練習の成果を発表する機会をつくっています。
しかし、それは、年度末に1年間の成果を発表するもの。
今年度は、1学期に頑張ったダンスを発表したいと部員たちが考え、急ですが、発表の場を設けることにしました。
「子供たちがつくる学校プロジェクト」では、潤徳小がよりよくなるということであれば、だいたい認められるのです。
今日の昼休みに公開なのですが、学期末で、1~3年生は午前授業なので、昼休みはありません。
1~3年生で見たい児童は、「さようなら」をした後、会場の体育館に行って参観してよいことにしているのですが、家の都合などで、すぐに帰らなければならない子のため、中休みの最終リハーサルの場に参加してよいことにしました。
部員たちも、「お客さん」がいた方が気合が入りますので、緊張感のある最終リハーサルになりました。
さて、昼休みの本番です。
昨年度もダンスクラブは発表していますし、「潤フェス♪」の経験で、イベントのあるときには、自動的に子供たちが集まってくるようになっていますので、今日も、開演前から多くの観客が詰めかけています。
ダンスで使う曲名はMrs. GREEN APPLEの「青と夏」。
クラブリーダーから、「夏らしい曲に乗せて、一生懸命踊ります!」と紹介があります。
ちなみに、保護者等の皆様向けにYou Tubeの限定公開を行っていますが、実は、「超密」な児童席から映像を送っています。
さぁ、ダンスの始まりです。
元気に手拍子をしながら会場を盛り上げる部員たち。
会場の観客と一つになって踊りきりました。
・・・でも、これで終わりではありません。
本校の「お約束」、アンコールの大合唱が当然のように起こります。
ということで、2回目のダンスです!
大きな拍手を受けた部員たちの表情は大満足のようでした。
2学期以降も発表会がある・・・かな?
「子供たちがつくる学校プロジェクト」ですから、それを決めるのも子供たちです。
こうした「ゲリライベント」は、本校の新たな特色になりつつありますが、急であっても、子供たちは、問題なく対応しています。
昨年度の150周年のレガシーは大きいものがあります。
1年生にとっては、初めてのフェス系イベントで、最初はかなり戸惑っていましたが、会場の雰囲気に合わせて、楽しそうに体を揺らしていました。
1年生A「わたしも、大きくなったら、ダンスクラブに入ろうかな。」
部員獲得にも大きな効果があるようです(笑)
ご来場いただきました保護者等の皆様、ありがとうございました。【校長】
【子供たちがつくる学校プロジェクト】委員会発表集会4
本日は、4回目の委員会発表集会が行われました。
集会の進行について担当の教員と打ち合わせをします。
本日司会は、代表委員の2名です。進行について、確認しています。
図書委員の代表児童です。「緊張するぅ。」と、話していたので…その面持ちを撮ろうとカメラを向けると…
この笑顔。全く緊張を感じさせません。
集会委員会が発表中です。
内容が工夫されていて、聞いている人が興味をもてるようにクイズが出されます。
1年生は、興味津々で参加していました。
本日、委員会発表をした集会委員、図書委員
そして、司会進行をした代表委員のみなさん、お疲れ様でした。
「子供たちがつくる授業」(研究授業編)第一弾!【研究推進委員会より】
潤徳小学校では第4次日野市学校教育基本構想を受け、「子供たちがつくる」教育活動の具現化を図っています。日々の授業の中でも「子供たちが当事者として参画し、意見し、対話する」場面をつくり出すことができるよう、今年度は以下の研究テーマのもと、授業改善を推進していきます。
「子供たちがつくる学校(学習)」プロジェクトの推進
~学び合いを通して探究する児童の育成(複線型)~
複線型の授業とは、子供たち一人一人の興味関心に応じて、クラウドを活用しながら、それぞれのペースで、それぞれが好きなタイミングで他者の考えを参照しながら行う授業のことです。従来の教師の一斉指導による一斉の学習では、35人いれば35通りある子供たちの学び方や興味関心に応じた学びを進めることができません。子供たちの主体性を重視する「子供たちがつくる」授業は、複線型の授業をイメージして行います。
(図2)一人一台端末活用新旧イメージ 従来授業+端末活用(2022 高橋純)
(図3)一人一台端末活用新旧イメージ クラウド活用授業(2022 高橋純)
https://www.mext.go.jp/studxstyle/special/49.htmlより抜粋
昨年度までの研究で積み重ねてきたChromebookの有効的な活用法を生かしながら、さらなる授業改善を目指していきます。
第4学年社会科「ごみの処理と再利用」における
複線型授業の実践
第4学年の社会科では「ごみの処理と再利用」における複線型授業を行いました。
はじめに、既習事項である「資源ごみ」の意味を復習します。「新しく生まれ変わることができるごみ」が「資源ごみ」です。では、「資源ごみは何に生まれ変わるのか」と本時の学習課題を確認します。
その後、学習の仕方を確かめます。資源ごみが何になるのか、そして再利用される仕組みについて各自ノートやスライド等好きな方法でまとめます。「誰と」「どこで」「どのように」学ぶのか、子供たち自身が選びます。しかしそれは「学習のためであること」を確認します。
学習の時間が始まると、それぞれ学びやすい形を選んでいきます。
「一緒にやろうよ」
と早速机を動かす子もいれば、素早くChromebookを開き1人で調べ始める子もいます。
顔を見合える形にしたり、横に並んで調べたり、途中から
「一緒に混ざってもいい?」
と加わる児童もいました。
また、活用する資料も子供たちが選びます。
本で調べる子もいれば、
パンフレットを使う子、
インターネットで調べる子もいます。
まとめ方も子供たちが選びます。
本で調べたことを直接オクリンクのスライドに書く子もいれば、
ノートにまとめている子もいます。
最終的には、ノートも撮影して、オクリンクにアップロードすることで、誰でもいつでも見られるようにしていきます。
教師はその間子供たちの学びの様子を見守り、助言を行います。
調べている間にも、オクリンクの共有画面を開き、友達がどのようなまとめ方をしているのか確かめている児童もいました。
時間で区切り、それぞれが学んだことをまとめていきます。1つ1つの資源が何に生まれ変わるのか、分かったことを全体で確認します。
児童A「缶は鉄資源になることが分かりました。」
教師「鉄資源は、何になるの?」
児童B「それ私見たよ!たしか、自動車の何かになるって書いてあった!」
教師「ペットボトルはどうですか?」
児童C「服になる」
教師「えー!ペットボトルが服になるの?」
「うん、そうだよ!」とたくさんの子から声が挙がりました。
教師「どうやって服になるのか、調べられた人?」
児童D「細かく砕いて…えーと…」
すると、児童Eが調べるときに使用していた本を取り出しました。
児童E「細かく砕いて、ペレットになって、ペレットから切れない糸になって、それが服になるんだって。」
児童ら「へぇ~。」
最後に、資源ごみとして再利用されるために自分たちができることを考えました。
児童F「分別」
教師「なぜ分別が大事なの。」
児童G「別のものに生まれ変わることができないから。」
児童H「燃えるゴミだと燃やされちゃう!」
また、調べたことを生かしながら、できることを答えている児童もいました。
児童I「びんは、色別に分別して、割ってから生まれ変わるから、割れないようにそのままの形で捨てることが大事。」
研究協議会の様子
授業後は、帝京大学 教授福島 健介様を講師としてお招きし、研究協議会が行われました。協議会では、以下のような成果と課題が出ました。
成果
- 調べることが多様で、主体的な学びを促す課題設定ができでいた。
- まとめ方について教え合いがあった。
- 何を使って調べるか(本7人、資料1人、他インターネット)、どうまとめるか(ノート9人、オクリンク18人)が多様で、一人一人が主体的に学んでいた。
課題
- 途中参照を行う児童が少なく、友達の意見を参考にしているかが分からなかった。個々の調べ学習にとどまっていたように感じた。
- 資料が少なく感じた。クロームブックでまとめる場合に、コピー&ペーストばかりになっている。
また、福島先生からは、このような評価・指導をいただきました。
- 複線型の基本スタイルを抑えた授業である。
- 複線型を追求することはゴールではない。ゴールは、「学び合いを通して探究する児童の育成」である。
- 社会科とは、「よりよい社会について考える教科」
- 今回の授業で言えば、「リサイクル」について多面的・多角的な視野をもって考え、課題を追求・解決することである。
- 教師はどの段階で何を評価するのか。指導案には「理解している」ことを評価するとあるが、それぞれが学習している過程は評価しなくてよいのか。
- 何のために話し合うのかを考えよう。従来型の授業では、「〇〇が分かりました。」「いいですね。」と発表のための話し合いになっていた。しかし、本来は「もっと知りたいから」「分からないから」「考えを取り入れて活動したいから」話し合うのである。よりよくなるために「他者参照」をし、その中で必然的に「話し合い」が生まれる。それをサポートするのが教師の役割なのである。従来型の授業で行っていた最終的な「発表」は、学習の過程ですでに話し合いが行われているのだから、必要ない。
- まとめたことをオクリンクに挙げて考えを共有し合うのはゴールの活動ではない。
- 途中でオクリンクを読み合う活動が欲しかった。
- 「複線型」は授業形態の1つに過ぎない。複線型の授業をすることをねらいとしなくてよい。「学び合いを通して探究する児童の育成」を目指すこと。
- 今後のポイントは振り返りである。自分の活動全体を統括的に見ることで、メタ認知をする。また、「他者参照」「話し合い」をする中で、自己調整学習をしていく。
- 研究主題である「主体的に学習を続け、探究する学び合いを通して探究する児童」をどのように評価するのか。ルーブリック評価も今後取り入れていくのはどうか。
- 複線型を重視するのではなく、どのように学び合いをさせるのかを重視する。
「子供たちがつくる学習」をテーマに複線型の授業実践をしていこうと研究推進委員会で出発したところですが、あくまで「学び合いを通して探究する児童の育成」を目指していることを忘れてはならないことをご指導いただきました。今後は、評価の仕方や振り返りの仕方、どのような学び合いを目指すのかを考えながら授業改善を図ってまいります。
(2016年4月から2018年3月まで)